『古事記異聞 鬼統べる国、大和出雲』出雲編完結によせて/高田崇史

文字数 1,117文字

「QED」「カンナ」「神の時空」……教科書では教わらない「知られざる歴史」を描いたシリーズでおなじみの高田崇史さんが、「古事記異聞」シリーズ出雲編完結となる最新刊『古事記異聞 鬼統べる国、大和出雲』によせて語ってくださいます!

『古事記異聞』第4弾、

「鬼統べる国、大和出雲」が上梓されました。

これで『古事記異聞』の「出雲編」は完結します。

ということは、ここで「出雲」に関して

何らかの結論が出たということになりますが、

そもそも「出雲」なのに、どうして「大和・奈良」……?

大和国には「一の宮」の大神(おおみわ)神社が鎮座しています。

三輪山を神体山として崇める、日本最古の神社の1つで、

伊勢神宮や出雲大社よりも古い神社です。

何しろ「神」と書いて「みわ(三輪)」と読んでしまう、

それほど誰からも尊崇されていた神社なのです。

ところが――。

この神社の拝殿は、三輪山の頂上を向いていません。

神体山を参拝するのに、その頂上を拝まないなんて、

富士山まで出かけたけれど、その山頂を拝まず、

少し下にある宝永山を拝んで帰って来るようなものです。

これは何故なのでしょう?

※三輪山山頂

また、あの辺りには「禁足地」が多く存在します。

しかし「禁足」という言葉を辞書で調べても

「立ち入り禁止」という意味はありません。

この言葉は「外出禁止」「足留め」という意味です。

となると、奈良のあの地域は「外出禁止地」だらけなんて、

一体どういうこと?


そんなこんなの数々の謎に、

民俗学を志す主人公たち、女性2人が挑みます。

果たして2人は、無事に解答にたどり着けたでしょうか……。

今まで誰も書かなかった、少しディープな奈良の旅ですが、

みなさまも、ぜひ主人公たちとご一緒に、

バーチャルな歴史探訪の旅にお出かけいただければ幸いです。

※大神神社摂社の檜原(ひばら)神社

PROFILE

高田崇史(たかだ・たかふみ)

1958年東京都生まれ。『QED 百人一首の呪』で第9回メフィスト賞を受賞しデビュー。

歴史の真実を探り「怨霊史観」ともいえる視点で多くの人気作を執筆。最新刊は『古事記異聞 鬼統べる国、大和出雲』

出雲族はどこから来たのか?

杵築大社から始まったフィールドワークが奈良で大詰めを迎える。

出雲編完結!!

橘樹雅は研究テーマ「出雲」を調査するうちに、国を追われて京都に連行されていた出雲族の存在を知る。在野の研究者・金澤千鶴子に、大神神社の主祭神・大物主神が素戔嗚尊同様「出雲」の神だと聞いた雅は、奈良に出雲族の痕跡を探し求める。二人を監視する何者かの不穏な動き。大和に存在した出雲村と野見宿禰伝説が、雅を真相へ導く。神話に秘匿された出雲王朝の真の姿が蘇る。出雲編完結!

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