〈十五少女〉竹虎レオナの場合(後篇)/小説:円居挽
文字数 7,969文字
5.気のおけない関係
それからボクたちは二人で渋谷を練り歩いた。思いつくまま店に入り、好きなこと喋って、また次の店に……ウィンドウショッピングで服屋を冷やかしたり、コスメショップに入ってグレイの使っているブランドについて話を聴いたり……あと大きな本屋に入って、ボクが読めもしない本を手に知ったかぶりしてもグレイはとても感心しながらボクの話を聞いてくれた。そんな他愛ない行動の数々もボクたちがお互いを理解し合うのに……たった数時間で数年来の親友同士のようになるためには必要だった。
折角渋谷のお店を沢山予習したのに半分も活かせなかったが、二人で最高のコースを選んでいる実感は悪くなかった。いや、ボクたちが選ぶコースが全部正解になってるのかも。
グレイがさりげなく腕時計を見たので、つられてボクものぞき込む。
「もう4時……沢山遊んだね」
都合6時間ほど吹っ飛んだ感覚だ。
「うん。でもLeoNaと一緒だったから一瞬で終わっちゃった」
なんだか不思議な感覚だ。お互い話し足りないのが解ってる。だけど「また今度」があるのも解ってる。そしてそれを口に出して確認したりはしない……。
「今からお茶すると遅くなりそうだから、このまま駅まで行こうか」
「そうだね。今から駅までゆっくり歩くと、丁度いいかも」
ボクたちは人々の間を縫うようにして歩く。地元では滅多に見ることのない規模の人混みだけど、二人きりで歩いているみたいだ。
「あのね……LeoNa」
「なに?」
「私がSilicaで自己主張をしない本当の理由ね……知り合いに見つからないようにするためなんだ」
「え?」
素性を隠してボカロPをやっているボクはともかく、Silicaをリアルの知り合いと繋げて使っている人間は多い。だけどグレイはフォロワー数の多いアカウントばかりフォローしていた。
「……私、学校でいじめに遭ってるから。あいつらに見つかりたくないんだ」
こういう言い方をするのは自分でも気が進まないけど、ボクは他人の心が解らなかったから、空気が読めなかったからいじめられたのだ。しかし目の前にいるグレイはあの頃のボクなんかより遙かにまともで、とてもいじめられる側には見えない。だけどボクの歌に感動するというのは同じトラウマを抱えている可能性がある。
「詳しく訊いても大丈夫?」
「強いきっかけがあったわけじゃない……んだと思う。それどころか誰でもよかったんじゃないかって気もする……」
「誰でもよいのに、わざわざグレイが狙われるのがよく解らないな」
こんなに明るくて、素敵な子なのに。
「昔はいじめられていた子がいたから……でもその子がいなくなって、いつの間にか私がターゲットになってたんだ」
グレイの説明に期待していたほどの具体性はなかった。でもこれだけの言葉でグレイの置かれている状況と心理状態がありありと見えた気がした。
「どうして私なんだろうね……悔しいよ」
「グレイ……」
グレイの孤独と苦痛を想像して、我が身のことのように痛みが走った。いつの間にか自然と両腕が出ていた。グレイは弱々しくボクの背に両腕を回す。そして静かに泣き始めた。
腕の中にいるのはボクの普通を満たしてくれる存在なんかじゃなくて……過去のボクだった。
6.褪せない告白
都会の人間は他人に無関心というが、往来で抱き合うボクたちをまじまじと眺めているような通行人はいなかった。こういう光景自体、別に珍しくもないのだろう。地元じゃ考えられない話だ。
どれぐらいの時間が経っただろう。きっと時間にすればほんの1、2分だったと思うけど、こんなに濃密な時間はこれまでの人生になかった。
グレイが気まずそうに、そして恥ずかしそうにボクから離れる。
ああ、これが普通の反応なんだ。
「ごめんね。街の真ん中でこんな話して……」
「ううん。秘密を打ち明けてくれてありがとう」
「……私、今日はいっぱい無理してた。キャラ作って、ギリギリまで攻めたこと言ってみたりして……詳しい振りしてた渋谷もほとんど来たことなかったし、とっても疲れた」
なんだ。同じ渋谷ビギナーだったんだ。
「私って昔から自分がないというか……普通だから、つい周囲の影響を受けちゃう……それで、今は自分がないせいで馬鹿にされていじめられてるんだ……でもいじめられたくなかったら、最初からこれぐらい無理しないといけなかったのかも。今更手遅れだけど」
ボクはグレイを勇気づけたくて、こんな言葉を口にした。
「運命は不公平だからあいつらを裁いてくれないけど……だからこそ何があっても自分だけはやった奴らを絶対に許しちゃダメだよ」
半分ぐらいはかつての自分に言ったようなものだ。でもだから強く届くと思って。
「……うん。そう言って貰えて、なんだか勇気が出た」
何か苦いものでも舐めたような顔。なんだろう……これだから人間は少し苦手だ。でもこれからはこういうのも慣れていかないと。
「でもLeoNa、私が普通じゃなかったらいじめられることもなかったって思うんだ……」
ボクは普通じゃなかったからいじめられたんだよ。
ボクはそんな言葉を辛うじて抑えた。ボクにとっては真実でも、これはグレイを救う言葉じゃない。
「グレイがどうしても誰かの影響を受けちゃうっていうんならさ、ボクがグレイの太陽になるよ。これからボクはどんどん有名になって凄くなる……きっとグレイも凄くなるって」
「でも今よりも無理しないといけないならキツいかな……」
ああ、そうか。グレイは今、これでいっぱいいっぱいなんだ。だったら口にするべきはグレイの心の負担を軽くする言葉だ。
「ボクたちの世界ってさ、どうして無理しないと当たり前の幸せが手に入らないようにできてるんだろうね」
グレイは目を見開く。
「……LeoNaも無理してるの?」
「無理してるかも」
素直に心情を吐露した方が距離は近くなる……筈だ。そして、ボクはグレイが一番喜んでくれそうな言葉をどうにか絞り出した。
「でも、だからこそ無理しなくてもいい友達がいたらいいなって」
「……うん。お互いにそうなれたらいいな」
グレイは突然立ち止まると、話を打ち切るようにこう告げた。
「じゃあ、ここで」
渋谷駅まではまだ距離がある。もう少しだけ話して帰ろうと思っていたのに。
「駅まではまだあるよ?」
「……LeoNaがどこに住んでるのか、解らない方がいいかなって」
「うん、お互いのためにそうした方がいいか」
付き合いを続ければいずれ解ってしまうことかもしれなくても、今はこうした気遣いが嬉しかった。
「LeoNa、今日は楽しかったよ」
「ボクも。今日は本当に楽しかった」
普通になりたくて無理してたボクと、普通から遠ざかりたくて無理してたグレイ……引き合うように出会ったのは当然だったのかもしれない。
ボクたち、これからきっといい友達になれると思う。
17時。ボクは帰りの電車に揺られながら、別れ際の自分の言葉をずっと反芻していた。こんな言葉を最後に心から口にできたのは小学校に上がる前じゃないだろうか。
昔は誰かと一緒にいるだけで疲れた。今も疲れていないわけではないけど、これは気持ちのいい疲れだ。
最寄り駅はまだまだ先だ。ボクは少し目を閉じて、うとうとした。
悪夢を見なかったのは久しぶりだ。
目を覚ますと、最寄り駅まではまだいくらか手前だった。日曜だからか、渋谷から結構離れたのに車内は混んだままだった。
血行の悪くなった足を少し伸ばして周囲の様子を窺うと、ふとグレイが少し離れた席に座っていることに気づいた。混んでいるせいかボクを認識していない。
同じ路線とはなんという偶然なんだろう。ラブリの動画の件もあったし、もしかするとカグツチ市に住んでいるかもしれない。
ボクは気づかれないように静かにグレイの様子を窺う。グレイが楽しそうにスマートフォンの画面を眺めているのを見て閃くものがあって、ボクは自分のスマートフォンを取り出した。
Silicaのタイムラインを確認すると、たった今なされたグレイの投稿がトップに浮かんでいた。
今日は憧れの人と一緒にいられた。明日から頑張ろうって思えた
ボクがグレイに照らし与えた感動は本物だったみたいだ。顔がにやけてしまうのを止められない。流石にいいねするのはやりすぎだなと思ったけど、スクショした。
……このスクショ、待ち受けにするぐらいはセーフかな?
いや、いいねどころかリプライも微妙だな。個人アカウントとの直接的な絡みは身バレの元だ。
せめてグレイに届くよう、ボクはこんな投稿をした。
こんなに甘美な感情を味わったのは初めて。神様ありがとう。
7.際限ない欲望
「神様ありがとう」か。今のボクでなければ死んでも使わなかった言い回しだ。でも、これが偽らざる素直な気持ちであるのも確かで……確かにグレイとの出会いに浮かれているのは認める。けど、これはある意味で当然の権利だ。
投稿した瞬間から恥ずかしくなって、消そうか迷い始めた。もしかしてこういうのって匂わせに当たるのかな。いや、このぐらいの内容なら一般論で誤魔化せるし、そもそもボクは顔出してアイドル売りしてるわけじゃないからファンと繋がったことで大炎上することもない。
削除しなくていい。そう決めたら未練を断ち切るようにスマートフォンをしまった。でもそれはそれとしてグレイの反応は窺う。
だけど、グレイの顔は何故か少しだけ強ばっている。なんだろう。ボクの投稿で不安にさせた筈がないし……グレイをいじめている奴から厭な連絡でも来たのかもしれない。
同じ車両に乗っているのだし、グレイを励まそうか迷っていたら、電車が停まった拍子に彼女と目が合ってしまった。動揺したような瞳……いや、渋谷駅で別れた相手が同じ電車に乗っていたら不審に思うのは仕方がない。
ストーキングしてると誤解されるのも厭だ。ボクは観念してグレイの方に近づいた。たまたまグレイの隣の席の乗客が席を立ったので、ボクはグレイの隣に腰を下ろす。
「偶然……後を着けたとかじゃなくて、ボクの家もこっちの方向なんだ」
「……すごい偶然だね」
グレイの声は心なしか沈んでいる。
Silicaのことは黙っておいた。多分ボクがグレイの投稿を見たことも、ボクの投稿も向こうは承知してるだろうけど、今話題に出すには少し気まずい。
「なんか浮かない顔してるけど、いじめてる奴らから何か連絡があったの?」
「……ううん。そういうのじゃないんだ」
グレイは不安そうに胸を押さえている。グレイの言葉が本当かどうかはともかく、月曜日になれば自分がいじめられていることを厭でも思い知らされるのだ。明るい顔ばかりしてはいられないだろう。
せめてグレイの隣にいて助けられたら……いや、同じ学校に通ってるわけでもないし無理か。
自分の馬鹿な思いつきを一蹴しようとして、とんでもないことに気がついた。
この路線に乗っているということは生活圏が近い可能性がある……もしかしたらグレイは同じ学校に通っているのかもしれない。
勿論、ボクの通学圏内に高校なんて沢山ある。それでも、もしも同じ高校だったりしたら、それは運命かもしれない。
こんなにも心の距離が近くなった相手が同じ学校に通っていたら……それはもう運命だ。
それでもグレイがボクの身元がバレないように配慮してくれたので、こちらとしても余計な詮索はできないという気持ちもあった。まあ、この場では通学先が解らなくても、ボクが登校してグレイを探してみればいいだけの話だ。
だから詮索めいた言葉をかけるのはやめにして、グレイを慰めることにした。
「あのさ、グレイ……昔話をしてもいいかな」
グレイは強ばった顔のまま肯く。
「……ボクも中学の頃、いじめられたことがあったんだ。きっとあいつらの中では道の真ん中に転がっている石を蹴飛ばした程度の、どうでもいい行為だったんだろうけど、ボクにはダメージがあってさ……多分、グレイが遭ってるいじめよりはキツかったんじゃないかな」
グレイは口をぱくぱくさせている。いや、こんなこと言われたら上手く返しようがないか……。
「まあ、ボクは学校に出なくても卒業させて貰えることになったけど、あいつらは特におとがめなしで終わったんだ。いじめた生徒にも将来があるから、だって。本当に不公平」
あの時は運命の不公平さを呪ったものだ。
「いじめられた過去は消せない。けどボクには今があるし……復讐だってもう終わったよ」
グレイが怯えたようにボクを見る。ああ、これだけ先に言ったら誤解されてしまう。というかドン引きして当然だ。
「それは直接的なやり方じゃなくて……ボクが成功することがあいつらへの復讐だと思ってるから」
という話をしてるのに、反対方向の電車とすれ違った。轟音で聞こえなかったかもしれない。もう一度言い直そうかと思ったら、最寄り駅に到着するという案内が流れた。どうフォローしようか思案している内にグレイが席を立った。
「……あの、私、ここだから」
ボクは驚きで跳びはねるように席を立っていた。
「ボクも。偶然……」
グレイが驚きで大きく目を見開いたのが解った。
8.避けられない破局
改札を出た後、ボクたちは駅から延びている歩道橋へ向かっていた。駅前の交通量が多いので、地元の人間は下で信号を待つぐらいならこの歩道橋を利用するのだ。
ボクもグレイもただ無言で歩いていた。歩道橋の下で大型車が往来している轟音だけが聞こえてくる。
ボクは驚きで上手く言葉が出てこない。グレイもそうだろう。グレイにとってボクは好きなアーティストであり、なったばかりの友達でもある。それが近所に住んでたとなったら嬉しいに決まっている。
当然、ボクも嬉しい。オフ会の日にしか会えない仲の筈が、これからはその気になれば毎日どこかで会える。
歩道橋を歩きながら、ボクは沈黙を破った。
「まさか駅まで同じなんてね……ねえ、今どんな気持ち?」
グレイの顔が微かに強ばった。
なんだろう。ここははにかんだり、赤面したりするところだと思ったんだけど……。
歩道橋の真ん中でグレイという少女は立ち止まって言う。
「ごめん。なんだか上手く笑えなくて……」
人前で上手く笑えない。少し前のボクみたいだ。
初めてできた本物の友達、そしてたった一人の友達。
「無理して笑わなくてもいいんだよ!」
ボクは車の轟音に負けないように声を張り上げる。しかし返事はない。
聞こえなかったか……じゃあ、もっと近くで言わないと。
確実に聞こえるように、グレイの耳元で。
「ボクたち、これからはいつでも会えるね」
次の瞬間、振り向いたグレイの顔に浮かんだのは笑顔ではなく……おそらく絶望だった、と思う。
「もう耐えられないよ」
グレイはそう言ってボクに背を向けると、歩道橋の手すりにてのひらを置く。まるで鉄棒の前回りのようにくるりと足が天を向いた。
グレイが頭から落ちていったと理解したのは彼女のつま先が視界から消えた後だった。
骨が砕け、
肉が潰れ、
脳が崩れ、
血管が一度にちぎれたらどんな音がするのか、知りたくもないことを知った。
どうしてだろう。どうして今、自殺しようと思ったのか。
どうしてだろう。ボクの言葉が原因なんだろうか。ほんのファンサービスのつもりだったのに。
意味もなく時計を見てしまう。18時15分、それが彼女の死亡時刻。
不可解なことにぶつかった時はいつものルーティンだ。
ボクは竹虎レオナ。ネットで大人気のボカロPだ。今日もいつも通り、問いを立てよう。
9.救いのない解答
Q. 初めて会った子と友達になった。その帰り、突然その子は自殺した。なぜか。
何度も何度も考える。しかし答えが出ない。グレイがこのタイミングで自殺する理由なんてどうしても思い浮かばない。
グレイがボクへ向ける感情は途中までは純粋な憧れや親愛だった。それが少しずつ変わってきたのは帰り道、電車で偶然一緒になってからだ。思い返せばあの時からグレイは少し怯えていた。
どうして渋谷の時は怯えていなかったのか……もしかしてボクが同じ路線であることがグレイにとってはマズかった?
……そもそもの大前提が間違っているとしたら? ボクたちは初めて会った……それ自体がボクの勘違いだとしたら?
ああ、もしかして……そういうことかもしれない。
A. LeoNaがかつて自分がいじめた同級生だと気づいたから
グレイはボクをいじめていた連中の一人で、ボクがいなくなった後新しいターゲットとしていじめられるようになった……そう考えると辻褄が合う。
気づかなかったのは向こうも同じだ。ボクは当時よりも遙かに垢抜け、そしてそこそこ有名なボカロPになっていた。彼女だって自分の好きになったアーティストがまさかかつていじめた相手とは思わなかっただろう。
どこで気づいたのだろう。同じ駅に降り立った瞬間か、帰りの電車で一緒になった瞬間か、それとも渋谷で別れた時にはもう予感はあったのかもしれない。
いや、もしかするとあの投稿がトリガーだったのかも。
こんなに甘美な感情を味わったのは初めて。神様ありがとう。
これはついさっきの投稿。これだけならなんてことはない投稿だし、ボクも裏の意味を込めたつもりもない。だけどあの投稿と合わせるとかなり意味が変わってくる。
「復讐心とはこの世で最も甘美な感情の一つである」って言葉があるけど、確かに甘美だね。
これも何気なく投稿して今の今まで忘れていたけど、甘美というワードで結びつけると、繋がりのある投稿に見えてしまう。グレイの視点だと、ボクが復讐のためにかつてのいじめっ子を特定して、オフ会に誘い出したように見えたのではないか? そしてその間違った答えに帰りの電車で辿り着いたとしたら?
真相に手が届いた途端、スイッチが入ったかのように周囲の音が聞こえだした。歩道橋の下では車のクラクションが鳴り響き、遠くからは救急車のサイレンの音がする。「自分をいじめた人間に復讐できてよかった」という気持ちは不思議と湧かなかった。
今となってはグレイが飛び降りた理由はもう知るよしもない。ボクの好意から出た言葉を復讐の宣言と受け取ったのかもしれない……だとしたらグレイを励ますために口にした「何があってもいじめた奴を許しちゃダメだ」というボクの言葉も逆効果だっただろう。
いや、それとも……憧れの存在であるボクに嫌われるのが怖かった? だから真実に気づく前に死ぬしかないと思ったのかも。
Q. ボクは何を間違えたのか?
A. 普通になろうとしたこと
そうだ。普通でないからボカロPのLeoNaになれた。それをなかったことにして普通になろうとするなんて、間違いだったんだ。
文字通り、ボクはグレイの太陽になりたいと思った。だけどグレイは近づいてきた太陽に焼かれて死んだ……ボクはただ、普通になりたかっただけなのに、グレイを焼き殺してしまった。
ボクはもう普通になれないことが解ったし、なる資格もない。だったらこの先、どうなったらいいんだろう。
ボクは答えの出ない問いを抱えたまま、一歩も動けなかった。
【竹虎レオナの場合】了