◆No.11 一乗谷と『酔象の流儀』のテーマ曲
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私は取材で、歴史の舞台をしばしば訪れます。
戦国時代を描く場合、その間に260年もの江戸時代、さらには近現代を挟んでいるために、当時の面影がほとんど残っていないことの方が、ずっと多いです。
小説なので、面白く描けるイメージやヒントが得られればラッキーというくらいに、私は考えていますが、例えば桶狭間などは、何もかもが徹底的に変わっていて、地形などは何となくわかっても、残念ながら当時の面影は皆無に近いです。
その点、一乗谷は、信長によって燃やされた後、農地にされただけで、現代まで長らく大きな手が加えられなかったために、江戸時代もすっとばして、戦国時代にタイムスリップできる気がします。
もちろん錯覚ではあるのですが、戦国武将たちが歩いた場所を、時間を超えて楽しめる奇跡のような空間です。
大河ドラマで山崎吉家を好演された名優の榎木孝明さんは、一乗谷に古き良き時代の日本を再現し、人を住まわせて生活を営み、時代劇を撮影できるロケ地に変えて観光地にするなど<大時代村構想>という、とても素敵な提案をされています。
もしも一乗谷が未訪でいらしたら、一生に一度は行かないと損です。
私は夏と冬に行ったのですが、写真集も出版されているように、どの季節に行っても見応えがありそうです。
最後になりましたが、『酔象』のテーマ曲は、服部克久さんの『自由の大地』です。
これも名曲ですので、いろいろなバリエーションが出ていますね。
ところで、葉加瀬太郎さんが『悠久の一乗谷』を作曲されています。
葉加瀬さんは私の大好きな名曲が多く、他の作品でテーマ曲にさせて頂いているのですが、 実は出版するまで、迂闊にもこの曲を知りませんでした。
まだ一乗谷については書き足りないので、その時に使わせていただきます!
これらの曲を聴きながら、一乗谷を巡られては?
