【第16回小現新人賞企画】小説現代長編新人賞について、新米編集長が聞いてみた。

文字数 2,301文字


第16回小説現代長編新人賞、〆切まで残り2週間。

       

◉締切……2021年7月31日


(郵送の場合は当日消印有効/WEBの場合は当日24時まで)


◉発表……2022年3月号予定


◉賞……受賞作には賞状、ならびに賞金300万円を贈呈(受賞作複数の場合は、分割します)。受賞作単行本は2022年5月刊行予定


◉宛先……


【郵送での応募】

〒112-8001 東京都文京区音羽2-12-21 講談社小説現代長編新人賞係


【WEBでの応募】

https://voc.kodansha.co.jp/enquete/ssgendai_2056/



応募要項の詳細は下記をクリックください↓

第16回小説現代長編新人賞 応募要項



小説現代長編新人賞の選考は、編集部員一人一人が原稿を読み、厳選なる選考を行っています。応募〆切が迫る中、編集長に就任したばかりのK編集長が、投稿者が気になる新人賞についての質問を部内で取材してみました。

長年、小説現代長編新人賞を見てきたOさんに質問ですが、応募要項にある【新人】の定義とは何でしょうか?
一般流通する自著単著の単行本や文庫を出版されていない方になります。同人誌や自費出版のみの方は応募資格があります。
小説分野以外でのデビューをされている方はどうなのでしょうか?
ノンフィクションや詩人・作詞家さんなどはOKです。
昨今、電子書籍を発売している方もいらっしゃるかと思いますが、その方はどうなのでしょうか。
無料でWEB・小説投稿サイトへの掲載や、電子書籍でも自費出版の形で発売している方は応募可能です。デビューしているかどうかの判断になりますが、商業出版でも電子書籍のアンソロジーや短編のみでの発売はOKです。短編賞などで文学賞の受賞歴がある方でも、単著でまだ書籍化されていない場合は応募可能で、電子書籍でも同様です。ちなみに、江戸川乱歩賞はプロ作家の方も応募を受け付けていますので、下記URLを参考になさってください。


第68回 江戸川乱歩賞 募集

http://www.mystery.or.jp/review/index.html

紙応募・Web応募、どちらの方が有利などはあるのでしょうか?
ありません。ただ、版面が読みづらい(字間・行間が空きすぎなど)ものは良くないです。WEBの場合は手軽に応募できてしまうのですが、プロを目指す方は、自分の原稿が読者にどう読まれるのか、出力して確認し、読みやすさや、誤字脱字なども極力なくす、といった自分の原稿にこだわりを持って欲しいと思います。文章だけではなく、版面にセンスは現れます!
その他、投稿作で気になることはありますか?
読めないタイトルやペンネームは良くないです。簡単に漢字変換できますが、難しい漢字を使っているからといって、小説が面白いとはなりません。特にタイトルには魅力的なモノをつけてほしいです!
編集部員からの応援メッセージが届いているので、ご紹介したいと思います。以下に、列挙していきます。
たとえばYOASOBIやAdoさんなど人気が爆発したYouTube動画はジャンルを超えたコラボでエンタメ表現の幅を拡げてくれました。そんな面白さが加速する時代だからこそ小説の可能性を掘り下げて、さまざまな表現ジャンルと同じ地平で刺激し合えるような世界を開示してくれる作品をお待ちしております。(N)
どの作品が受賞作に相応しいか、毎年悩みます。特に近年は良質な小説が多数集まっています。新人賞の原稿に粗があるのは当然です。それ以上に読んで楽しかった、良かったと思える渾身の一作をお待ちしております。その作品を通じて世に問いたいことは何か、執筆前に熟考してみてください。(Y)
新人賞は”ジャッジではなくスカウト”です。整った出来のいい作品ではなく、粗削りでも、たった一点でも、どうしようもなく惹かれる原稿が読みたいのです。みているのは、その人の将来的な可能性です。デビューした後も、5年、10年、20年、ともに作品を作り続けていける書き手を待っています!(S)
たとえば1500円に値する作品を! 学生時代、価格の高い単行本はなかなか買えませんでした。厳選して購入していたのはすべて、”この本でしか得られない何かがある”と思わせてくれたもの。かつての私にも手に取らせてしまうくらい、スペシャルな魅力を持つ作品をお待ちしております!(O)
このネタは別の作品のときに取っておこう」そんな気持ちは投稿作には厳禁です。詰め込めるネタは全部詰め込んでください。たとえ盛り込みすぎだったとしても、ネタが多ければ多いほど、選考の中で引っかかるポイントが増えます。もし詰め込み過ぎて失敗したとしても、私達はその気概を受け止めます!(O)
このところ若い方のご受賞が続いていますが、本来、言葉を扱う小説に年齢制限はありません。小説やそれ以外のエンタメに積極的に触れて今の流行や情勢を分析しながら、ご自身の小説観・世界観を点検・アップデートしながら、あなたにしか書けないオリジナルの作品を手掛けて下さい!(K)
新人賞ですから、新しい才能・感性を持つ方に期待します。自分の青春時代や日常を書かれる方も多いですが、それだけではエンタメになりません。小説ならではの表現や、エンタメとしての面白さをいかに小説に織り込めるか。今は動画やゲームなど、小説意外にもエンタメが溢れているので、今の時代のエンタメを貪欲に取り込んで小説にしてほしいです! 見慣れた景色、良くある事件などでも、ハッとするような切り口や表現、何より自分自身でも、楽しみ、かつ、驚けるような作品を模索してください!(K)

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