猫の日に読む 猫本コレクション①

文字数 1,564文字

写真/アフロ
2月22日は猫の日! 

作家さんには、猫好きの方がたくさんいらっしゃいます。

そこで猫好きの作家さん方の、心をくすぐる「猫本」をご紹介!

(著者名五十音順)

★『旅猫リポート』 有川浩


映画化もした、有川浩の猫+人間のロード・ノベル。


野良猫・ナナは、瀕死の自分を助けてくれたサトルと幸せに暮らしています。が、ある事情からサトルはナナを手離さないといけないことに。

「僕の猫をもらってくれませんか?」

一人と一匹はワゴンに乗って、サトルのかつての友人知人を訪ねる旅に出ますが――。

人間とナナの視点で紡がれる物語は、悲しくも心に響きます。特にナナの「リポート」は、猫好きの心を捉えること間違いなし。涙なしには読めない、猫と人、人と人との友情・愛情を描いた名作。


★『ペルシャ猫の謎』 有栖川有栖


〈国名シリーズ〉第5弾、火村・有栖川の名コンビが、パワー全開!


別れた恋人からペルシャ猫の「ペル」を押し付けられた男。その彼が自宅で侵入者に殴打され、ガスが充満した部屋で発見されます。殺人未遂⁉ 果たして犯人は…? 

謎に挑むのも楽しいけれど、猫好きにとってこの短編の一番の読みどころは、猫を押し付けられた男が次第に猫に情が移っていき、立派な猫好きへと変貌をとげていくところです。夜、布団に入ってきた猫を何よりも愛おしいと感じる彼に、猫好きはみんな激しく同意!(表題作「ペルシャ猫の謎」より)


★『ルドルフとイッパイアッテナ』 斉藤洋


累計136万部部突破の大ベストセラー、アニメ化作品!


小さな黒猫・ルドルフは、ひょんなことから故郷の岐阜を離れ、一人(一匹)東京へ。そこで大きくて頼りになるトラ猫「イッパイアッテナ」と知り合い、野良猫として暮らし成長していきます。

ルドルフ目線で語られる物語は、まるで人間の世界の縮図のよう。人も猫も、「大切」なことは一緒。そしてルドルフが猫目線で語る人間考察や猫の生活・習慣は、猫好きなら納得の面白さ! 

大人も子供も猫好きも楽しめる、わくわく、そして感動の冒険譚です。


★『さすらい猫ノアの伝説』 重松清


「大切なこと」を思い出させてくれる、不思議なさすらい猫の物語


「おめでとうございます! あなたのクラスがノアに選ばれました!」

そんな書き出しの手紙が入った風呂敷を首に巻いて、とある小学校にやってきた、謎の黒猫・ノア。自由気ままなさすらい猫が、ちょっと困っている子どもたち、悩んでいる大人たちに思いださせてくれるのは、忘れてしまった「大切なこと」――。

意地悪をしようとしているわけでも、嫌いでもないのに、ちょっとした誤解やすれ違いから仲たがいしてしまった子供たちの心に寄り添い、勇気の背中を押してくれるノア。わかってもらえなくてイライラするジレンマや正直になれないもどかしさなど、悩みは大人も子供も実は同じ。人にやさしくなれる、そして前向きになれる、明日への希望あふれる物語。


★『眠る盃』 向田邦子 


何気ない日常を、向田邦子ならではの視点で切り取った珠玉の随筆集!


父が命名したシャム猫「伽俚伽」が向田家に来たときのことを書いた「伽俚伽」、惚れぬいたコラット猫・マミオ伯爵と雌のチッキイ夫人が家に迎え入れられるまでのいきさつ、生活を描いた「猫自慢」、そのコラット夫妻に生まれた赤ちゃん猫たちのことを書いた「六十グラムの猫」など、猫好きならずとも、思わずにやりとすること請け合いです。

ところどころに昭和の香りを感じるのに、不思議と「古さ」は感じない。向田さんの文章にはそんな時代を超えた魅力があります。猫が登場するエッセイのほか、父の不器用な愛情に涙こぼれる「字のない葉書」、電車の車窓から見たアパートの一室の中にいたライオンについての「中野のライオン」など、向田節が楽しめる名エッセイ集。


ぜひ、よんでみてね!
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