小説家・お笑い芸人50人に聞きました! 大アンケート㉝

文字数 1,823文字

お互いに刺激と癒しを与え続ける「小説」「お笑い」の世界。

「あの小説家にネタを作って欲しい!」「この芸人に小説を書いて欲しい!」

それぞれの世界で活躍する50名に、好きな小説・お笑いについてなど、気になるテーマで大アンケートを実施!


「この作家、あの人のファンだったの?」「この芸人の愛読書ってそうなんだ!」

あなたの推し芸人、推し作家との距離が縮まること間違いなし!

さて、気になる回答は――?


※本アンケートは、小説現代2022年12月号にて実施されました。

【小説家編】(回答順)

回答者のお名前 

1. あなたの好きなお笑い番組・チャンネルベスト3は?

2. あなたの好きなお笑い芸人ベスト3は?

3. お笑いを好きになったきっかけは?

4. どんな時にお笑いに触れますか? 選び方も教えてください。

5. 自由記述欄

※記載のない項目は未回答のものです。

回答者:浅倉秋成


1. ①「お笑い実力刃(現:アンタウォッチマン!)」芸人さんが普段余り語りたがらないお笑いの仕組み、狙い、構造、時代の趨勢について詳細に語っていて見応え抜群。特定の芸人さんにフィーチャーしてたっぷりと時間をとってくれる構成が大好きです。②「水曜日のダウンタウン」企画のセンスに毎回脱帽。ただドッキリを仕掛ける、芸人をいじめる─というわけではなく、時にアカデミックな煌めきさえ見せてくれるので毎週目が離せません。③「アメトーーク!」自分が面白いと思っているもの、好きなものについて熱弁する回が特に好きです。自分が精通しているものの魅力を、知識を持たない人に対してプレゼンする作業は極めて「物語」あるいは「小説」的であると思います。


2. ①「ニューヨーク」拙著をYouTubeやテレビ番組で紹介してもらったこともあるのですが、10年近く前から応援していました。「人気歌手が雑に新曲を作るネタ」から好きになり、当該ネタは20回以上視聴しました。②「蛙亭」見たことのない男女コンビのあり方で、ネタの切り口も天才的でなおかつ面白い。同じネタを別のコンビにやらせても、おそらく同じ面白さは生み出すことができない唯一無二感が大好きです。③「ニッポンの社長」観る度に「このシチュエーションが面白いと発見する能力」の高さに震えます。何じゃこりゃ─と思って見始めると、いつの間にか笑いが止まらない。感動的です。


3. おそらくNHKで放送されていた「爆笑オンエアバトル」という番組が最初のきっかけかと思います。小、中学のクラスメイトに後に芸人になる「レインボー」の「ジャンボたかお」がいたのもとても大きいです。私自身も学生時代は彼とコンビを組み、漫才の大会に出るなどしておりました。


4. 現在はお笑いをモチーフにした漫画の原作をしておりますので、日常的に接します。執筆の休憩時間に録りためていたバラエティ番組、ネタ番組を観るのが好きです。

~小説を書いてみてほしいお笑い芸人は? どんなものを書いてほしい?~


①GAGの皆様。ネタのブレーンがどなたなのかわからないので個人名は挙げられないのですが、ネタを観る度に物語としての「強度」を感じます。大真面目に不条理なホラーや、変わった設定の短編などを書かれたら絶対に面白いものになると思います。

②ゆにばーすの川瀬名人さん。活躍をお見受けする限り「笑い」に対して非常に真っ直ぐな方なので、小説など書かないとは思われるのですが、徹底して自己投影した主人公を軸に私小説めいたものを書かれたら凄まじく濃厚な純文学が誕生する気がします。

③マヂカルラブリーの野田クリスタルさん。ネタの発想の根底にもマンガ等に通じる物語の香りを感じますし、そもそも尋常ではなくクリエイティブな方とお見受けします。自由な発想で書かれれば、いかなるジャンルの小説も書きこなせる気がします。個人的には、学園を舞台に男子高校生が活躍する(奇妙な)話を読んでみたいです。

~大募集! 小説家がいまやりたいお笑いのお仕事~


まだ打ち切りになっていなければ、「ジャンプSQ.」にて「ショーハショーテン!」というタイトルのお笑い漫画が連載中なはずです。作画は小畑健先生です。

浅倉秋成

1989年生まれ。大学卒業後、印刷会社の営業マンを経て、2012年に『ノワール・レヴナント』で講談社BOX新人賞Powersを受賞しデビュー。他に『六人の噓つきな大学生』『俺ではない炎上』など。

「小説現代」2022年12月号、大好評発売中!

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色