2022年5・6月合併号は、BL出身作家による競作特集!
文字数 2,088文字

講談社がほこる月刊エンタメ文芸雑誌「小説現代」。
最新号の見どころを一挙ご紹介します!
今月は、<BL出身作家が描く新しい物語 開かれたとびら特集>をお届けします。
『流浪の月』で本屋大賞を受賞した凪良ゆうさん、『スモールワールズ』で吉川英治文学新人賞を受賞し本屋大賞3位に輝いた一穂ミチさんなど、BL(ボーイズラブ)小説出身の作家さんの活躍が目覚ましい。
凪良さんの長編書き下ろし(前編)をはじめ、愛と生を真正面から見つめた、ジャンルを超えた競作集特集です。さらに、なぜその物語世界が魅力的なのか秘密に迫ります!
第16回小説現代長編新人賞受賞作、宇野 碧さんの『レペゼン母』を全編公開します。選考会でも満場一致で選ばれたこの作品は、ラップバトルを通じて母と息子が心を通わせるユニークな家族小説。作中の切れ味良いラップとユーモア、ほろりとした味わいにノックアウト必至です。
また、本誌初登場の君嶋彼方さんの青春小説にもご注目を。
今号は5・6月号合併号となります。売り切れ前にお早めにお買い求めください。
「特集 開かれたとびら」
一挙350枚! 本屋大賞受賞作『流浪の月』著者、待望の新作長編
汝、星のごとく(前編)
凪良ゆう
風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。二人は、惹かれ合い、すれ違い、成長していく。
アディオス・ノニーノ
華藤えれな
ふたりでブエノスアイレスに移住してたったの三ヵ月、三十二歳の若さで、夫の凜くんは亡くなってしまった。お腹にいる子供を残してーー。
考察
木原音瀬
ふとしたことからボーカロイド曲作曲者「loking」の曲にハマった会社員の美咲。動画のコメント欄に投稿した曲の解釈が作曲者自身にもウケて、沼にはまってゆく。
ある世界
砂原糖子
借金取りに追われる元平が出会ったハナは、公園の砂場に骨を並べ始めた。取り返したい過去を持つ二人は、タイムマシンの可能性について語り合う。
あやか
丸木文華
あいつは現実か幻か。いつも夕方にやってきて夫との離婚を迫る謎の女、あやか。気の弱い紗耶香は、何もできずにどんどん追い詰められていく。
評論 BL論「そこはただの温室ではない」
ひらりさ
BL小説は、いかに新しい世界を醸成し、扉をひらいてきたのか。『沼で溺れてみたけれど』の著者であるひらりさ氏が、BL小説の「これまで」と「これから」を熱く鮮やかに解きあかす。
「美しい彼」スペシャル対談
「開かれたとびら」の向こう側
凪良ゆう×ドラマ脚本 坪田文
BL小説『美しい彼』を原作とし、瞬く間に大人気となった同名ドラマ。その原作者・凪良ゆう&脚本担当・坪田文が語る、物語創作論と、新しい時代。
<全編公開>
第16回小説現代長編新人賞受賞作
レペゼン母
宇野 碧
山間の町で梅農園を営む、深見明子64歳。放蕩息子は借金を残して出奔したが、その妻の沙羅と明子は平和な二人暮らしをしている。しかし、ひょんなことから沙羅の仇討ちのためラップバトルの世界に飛び込むことに⁉︎ “おかん節”が笑えて泣けてグッとくる、圧巻のデビュー作!
<人でなしの櫻 発売記念>
遠田潤子×村山由佳『人でなしの櫻』刊行記念対談
「小説でタブーを超えるということ」
3月28日に発売された遠田潤子さんの『人でなしの櫻』が、その熱量と完成度で話題になっている。村山由佳さんと、作品を書くことでタブーを超えていく産みの苦しみ、愉しさについて語っていただいた。
『人でなしの櫻』書評 村山由佳
テーマも熱量も桁外れの『人でなしの櫻』の魅力について、当代随一の書き手である村山由佳氏が解説。本作を未読の方も既読の方もぜひ。
<読み切り>
父の回数
王谷 晶
超平凡な高校生・英雄。家の前の粗末な公園を友人は”グリッチ(欠陥)アート”みたいだという。そこに自分の人生の秘密を握る人間がとつぜん訪れて……。
走れ茜色
君嶋彼方
俺とクラスメイトの新藤梓が恋い焦がれる相手は、嫌われ者の秋津悠馬。誰もいない放課後の教室で、部活中の彼を見下ろしながら、「俺と彼女」の時間が始まる。
<シリーズ>
囚人ーー明暦三年明暦江戸大火
門井慶喜
最初は小火のはずが、からっ風に煽られて火が江戸全体を焼きつくしてしまった。あまりの事態に小伝馬町の牢屋敷を一時釈放された男が見たものとは……?
<吉川賞発表>
吉川英治四賞発表
第56回吉川英治文学賞 京極夏彦 中島京子
第7回吉川英治文庫賞 上田秀人
第43回吉川英治文学新人賞 一穂ミチ 小田雅久仁
第56回吉川英治文化賞
<本>
書評現代
ミステリー 青戸しの
青春・恋愛小説 三宅香帆
時代小説 田口幹人
エッセイ・ノンフィクション 高橋ユキ
読書中毒日記 池澤春菜
今月の平台
<エッセイ>
森川 葵 じんせいに諦めがつかない
岸田奈美 飽きっぽいから、愛っぽい
<コラム>
〆切めし 結城真一郎
武田砂鉄 もう忘れてませんか?
<漫画>
益田ミリ ランチの時間
意志強ナツ子 るなしい
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