『未知生さん』(片島麦子)

文字数 1,539文字

いま話題のあの作品を、マンガでひとかじり!

ブックソムリエ猫のスピンと、飼い主シオリが話題の本をあーだこーだとご紹介します。

気になった作品があったら、ぜひ本をお手にとってくださいね。


今回ご紹介するのは、未知生さん』(片島麦子)!

狭間シオリ:アラサー会社員

スピン:ブックソムリエ猫

シオリ&スピンのアフタートーク!

スピンありがとう~、ほっこりしつつドキドキもして、謎解き的な楽しみ方もできたよ、さすがブックソムリエ猫!

いやいや、それほどでも…(=^・^=)

お葬式から始まって、その列席者の視点から未知生さんのことを述懐するストーリーだったね。

第五話だけが全くの他人の、電車でよく顔を合わせる高校生のお話だったね。ここから、それまでの未知生さんの一見不可解な言動の理由が徐々に明らかになってくる流れが巧みだった。

うん。つい二度読みしたよ。そ、そうか~~、だからこのセリフなんだ~~、ってシーンがあちこちにまぶされてた!

書評家の細谷正充さんが、この作品を雑誌の書評で激賞していたよ。

――恥ずかしながら片島麦子の作品を読むのは、本書が初めてである。今、そのことを心の底から後悔している。どうしてこれほどの作家を見逃していたのか。自分のアンテナの感度の低さに絶望する――

(ブックレビュー:小説推理2023年9月号掲載より)

超ベテラン書評家さんにここまで言わせるの、すごい! でも私も、片島さんのほかの小説も読みたくなったよ。

未知生さんの飄々としたキャラクターと亡くなり方を読むと、つい思い出しちゃう作品がない?

吉田修一さんの『横道世之介』でしょ! …ってこれ、ネタバレになる?

大丈夫だと…思う! 去年完結編も出たんだよね。

えー、知らなかった! 読まなきゃ。

実は『未知生さん』で思い出して、世之介シリーズの第一作を電子書籍で買って読み直したんだけど、こっちは世之介視点がメインで、大学生の青春の日々が描かれてて。久々に読んだけど、あ~これこれ!って感じ。読んでる間ずっと楽しかった!

シオリの読書リハビリ、順調に進んでるみたいだ、いいね!

本当だ! 今年もたくさん小説を読みたいな!

今回紹介した本は……


『未知生さん』

片島麦子

双葉社

1815円(1650円+消費税10%)

描いた人:藤沢チヒロ@uwabamic

「マンガでかじるこの一冊」バックナンバー

『スモールワールズ』(一穂ミチ)

『ほねがらみ』(芦花公園)

『オルタネート』(加藤シゲアキ)

『檸檬先生』(珠川こおり)

『ゴールデンタイムの消費期限』(斜線堂有紀)

『神の悪手』(芦沢央)

『リボルバー』(原田マハ)

『余命一年、男をかう』(吉川トリコ)

・『ブラザーズ・ブラジャー』(佐原ひかり)

・『とにもかくにもごはん』(小野寺史宜)

『花束は毒』(織守きょうや)

・『オーラの発表会』(綿矢りさ)

『パンダより恋が苦手な私たち』(瀬那和章)

『ガラスの海を渡る舟』(寺地はるな)

・『君の顔では泣けない』(君嶋彼方)

『ペッパーズ・ゴースト』(伊坂幸太郎)

『むき出し』(兼近大樹)

『新しい星』(彩瀬まる)

『ボタニカ』(朝井まかて)

『ブラックボックス』(砂川文次)

『六人の嘘つきな大学生』(浅倉秋成)

・『古本食堂』(原田ひ香)

『サーキット・スイッチャー』(安野貴博)

・『六法推理』(五十嵐律人)

・『八月の母』(早見和真)

『観覧車は謎を乗せて』(朝永理人)

『宙ごはん』(町田そのこ)

『おいしいごはんが食べられますように』(高瀬隼子)

『此の世の果ての殺人』(荒木あかね)

『君のクイズ』小川哲

『ジャクソンひとり』(安堂ホセ)

『キッチンが呼んでる!』(稲田俊輔)

『ゴリラ裁判の日』(須藤古都離

『未知生さん』(片島麦子)

登場人物紹介

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