『おいしいごはんが食べられますように』(高瀬隼子)
文字数 1,522文字
いま話題のあの作品を、マンガでひとかじり!
ブックソムリエ猫のスピンと、飼い主シオリが話題の本をあーだこーだとご紹介します。
気になった作品があったら、ぜひ本をお手にとってくださいね。
今回ご紹介するのは、『おいしいごはんが食べられますように』(高瀬隼子)


シオリ&スピンのアフタートーク!
これはね~、「食」に対してとことん皮肉なスタンスだった。
「食事シーンをいかにおいしそうに描くか」って、作家さんが腐心しているところだと思うけれど、この小説では逆というか……二谷が、おいしいはずのショートケーキを食べるシーン……あんなにおいしくなさそうな食事の描写は初めて読んだかもしれない。
「食事シーンをいかにおいしそうに描くか」って、作家さんが腐心しているところだと思うけれど、この小説では逆というか……二谷が、おいしいはずのショートケーキを食べるシーン……あんなにおいしくなさそうな食事の描写は初めて読んだかもしれない。
社会には積極的に参加していないのに、「丁寧な暮らし」だったり「ちゃんとした食」を二谷に示してくる芦川さん、たしかに読んでてイラっとするところがあって……いつの間にか「芦川さんが困ったり悲しくなるような展開」を望んじゃってる自分に気づいて……
職場での人間関係や、家族観、ジェンダーについてとかも…
「不穏」で「ざわつく」、心が乱されるポイント…罠みないなものをあちこちに張ってあって、そこが作者の上手いところだよね。芥川賞受賞後の新作も楽しみだ。
「不穏」で「ざわつく」、心が乱されるポイント…罠みないなものをあちこちに張ってあって、そこが作者の上手いところだよね。芥川賞受賞後の新作も楽しみだ。
描いた人:藤沢チヒロ(@uwabamic)
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