『新しい星』(彩瀬まる)

文字数 1,137文字

いま話題のあの作品を、マンガでひとかじり!

ブックソムリエ猫のスピンと、飼い主シオリが話題の本をあーだこーだとご紹介します。

気になった作品があったら、ぜひ本をお手にとってくださいね。


今回ご紹介するのは、『新しい星』(彩瀬まる)

狭間シオリ:アラサー会社員

スピン:ブックソムリエ猫

シオリ&スピンのアフタートーク!
スピン…信じられる? もう一年の24分の1が過ぎたなんて…。私は信じないよ…
お正月の幻影を見るのを諦めて、逃避の段階に入ったね…
そうだね、そろそろ現実を…リアルを受け入れよう…

『新しい星』ては、途中コロナ禍(らしき状況)に突入して、青子たちはオンライン飲み会で近況を報告しあうんだよね。

10年間を描いた物語の中盤がいまのリアルとリンクして、ぴっと解像度が上がる感じがあった。

オンライン飲み会、深酒して一度寝落ちした卓馬が起きると、青子だけがまだつながっていて、普段は話さないような悩みを打ち明けるところとか、わかるな~!

四人それぞれ仕事とか家族とか、大切にしているもの他にあるんだけれど、学生時代からのつながりに励まされたり、気づいたら支えられているっていうのが心地よかった。

なかでも青子と茅乃のシスターフッドは特別なものだったよね。

うん! 二人ともとてもつらい経験をしていて、友情以上の理解といたわりがある。でも親しみとか馴れ合いもあって。泣けた……今思い出しても泣いちゃいそう!

彩瀬まるさんの文章、情景描写がすごく丁寧で豊かで好きだな。

第1話と第2話の冒頭、青子や玄也たちに光が降り注いでいたでしょ。第6話の茅乃にも、光のシーンがあったよね。

あの光の表現が、作者のやさしさって感じがするんだよ~。

『新しい星』もノミネートされてる今回の直木賞、発表は1月19日! 結果が楽しみだね。
今回紹介した本は……


『新しい星』

彩瀬まる

文藝春秋

1650円(1500円+消費税10%)

描いた人:藤沢チヒロ@uwabamic

登場人物紹介

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