編集長ジミーがオススメ、6月の光文社文庫!

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 好きな小説とか映画をひとつ挙げろ、と言われると困りますよね。あれもこれもといくつもあって迷います。ただ、ジミーは映画だとこれ一本、と決めているのが『炎のランナー』です。初めて観たのは中学時代、私も陸上部の時でした。実話を元にした感動的な脚本、時代を隅々まで再現した映像、そして美し過ぎる音楽ーーその不滅の名曲を作ったヴァンゲリスさんが先日亡くなりました。もちろんサントラを聴いて追悼しましたが、久しぶりに映画も観たいな、と思っています。


 さて、光文社文庫6月のラインナップ。まずは中村啓さんの『SCIS   最先端科学犯罪捜査班SS Ⅰ』をイチオシ! 現在放送中のドラマ『パンドラの果実』の原作です。現在まで5作が刊行されていまして、本書からシーズン2の開幕となります。天才科学者の最上友紀子と、小比類巻祐一率いる警視庁最先端科学犯罪捜査班が、通常では考えられない不可思議な怪事件に挑みます。今回の事件は透明人間が犯人!? ドラマから入った方も、初めて読む方も楽しめること請け合いです。もちろんシーズン1もぜひ!


 続いては櫛木理宇さんの『虎を追う』を。映画化された『死刑にいたる病』が話題の櫛木さんですが、本書も骨太な社会派ミステリです。30年前に起きた連続幼女殺人事件。その犯人の一人が獄中で死亡。しかし冤罪の疑いを抱いた元刑事が、孫たちと再び捜査を開始する……。最近も冤罪の疑いのある事件を追ったドキュメンタリーが放送されていましたが、こちらではSNSを駆使して世論を動かし、真相に迫るのが現代的。読み始めれば最後まで一気の力作です。
 もう一作は額賀澪さんの『競歩王』を挙げましょう。スポーツを描くことに定評のある額賀さんですが、この作品は文字通りの競歩がテーマ。高校生で作家デビューしながらその後燻っていた主人公が、東京オリンピックを前に新たな題材として取り上げることになった競歩の世界に魅せられていきます。冒頭で『炎のランナー』の話をしましたが、あちらは短距離、こちらは超長距離。でもこの作品もぜひ映画で観たい、読んだ方はきっとそう思うのでは?
 ようやくいろんなイベントも観客をほぼフルに入れて開催されるようになりましたね。今月はこれから『異世界食堂2』、『結城友奈は勇者である』(は昼も夜も・笑)、そしてオーケストラの演奏も楽しみな『takt op.Destiny』とアニメ関連イベントに立て続けに行かせてもらいます。個人的に今季一番おもしろく観ているアニメは『であいもん』ですが、旅行にも気兼ねなく行けるようになってきたし、京都に聖地巡礼に行こうかな。「キャラバン」にも行きたいし(笑)。

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