編集長ジミーがオススメ、11月の光文社文庫!

文字数 1,114文字

 始まりましたね、朝ドラ『舞いあがれ!』。アニメ『ばらかもん』をきっかけに五島列島が大好きになったジミーとしては、序盤の展開はとくに最高でした。子供の舞ちゃんがばらもん凧を飛ばすシーンにはもう涙が……。いずれ福原遥さん演じる大人の舞ちゃんも再び五島を訪れると思いますが、早くもその時が楽しみです。もうしばらく現地を訪れていませんが、久しぶりに五島を愛する「マカロニ会」のみなさんたちとも再会したいものです。


 さて、光文社文庫11月のラインナップ。まずは大沢在昌さんの『暗約領域 新宿鮫11』を超オススメです! 大沢さん、紫綬褒章おめでとうございます。もはや説明不要の、日本を代表する警察小説シリーズ。本作は手に取られればわかりますが、シリーズ最長の超大作。しかし読み始めれば時間を忘れて一気読み必至。未読の方は一作目からぜひお読みください。そして嬉しいことに月末には単行本最新刊『黒石 新宿鮫Ⅻ』も刊行されます。しばらくは『新宿鮫』祭りで大盛り上がりといきましょう!


 次に樋口昭雄さんの『サイレントブルー』をご紹介。樋口さんは大藪春彦賞と日本冒険小説大賞を授賞した代表作『約束の地』を筆頭に、大自然と人間がいかに対峙して生きるかを描く作品を多数描いていいますが、本書のテーマは「水」。八ヶ岳の美味しい水を求めて移住した住民と、天然水を汲み上げて販売する大企業。その水が止まった時……。これまで水に恵まれてきた現在の日本で起きている深刻な問題が浮き彫りになります。他人事ではない、非常に考えさせられる作品です。
 続いては天野頌子さんの『四十九夜のキセキ』を挙げましょう。ドラマ化された「陰陽屋シリーズ」が人気の天野さんですが、本書もまたユニークな設定の作品です。たまたま同じ本を手にした男女ですが、実はその男性はすでに死んでいて、親友に憑依している幽霊だった!? 二人が心を通わせていくドラマには、タイトル通りの期限があり……。その結末は、ぜひ実際にお読みいただければと思います。あと、この二人が手にした本というのが意外でまたいいんですよね。そちらも本文でご確認を!
 今年の秋はようやく海外のオーケストラも続々と来日していますね。ロンドン響にパリ管、ボストン響。そして指揮者では、何といっても95歳になられたヘルベルト・ブロムシュテットさん。春先に転倒して怪我をされたとの話を聞いたときには来日は難しいかと思いましたが、今年もN響の指揮台に立って(座って)くれました。多くの場合、特別な意味を持つマーラーの交響曲第9番も、その若々しい指揮ぶりには、きっと次の来日も、と思うしかありませんでした。またの日を心より楽しみにしています。

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