編集長ジミーがオススメ、4月の光文社文庫!

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 今年も東京・春・音楽祭に、リッカルド・ムーティさんが来日してくれました。今回は特別編成の東京春祭オーケストラによる演奏のみでしたがやはり感動的でした。さらにウクライナ情勢を踏まえて演奏前に語ってくれた言葉は「音楽の力」をあらためて感じさせてくれるものでした。今年は3年ぶりとなるワーグナー・シリーズ、『ローエングリン』の素晴らしいステージもありました。平和な世界と、変わらぬ日常が戻ることを祈りたいと思います。


 さて、光文社文庫4月のラインナップ。まずは警察小説の雄、今野敏さんのドラマ化もされている連作短編集『機捜235』から挙げましょう。通常の刑事ものとは一味違う、機動捜査隊員を主人公に、新たに相棒となった見当たり捜査の達人とのコンビが活躍します。当初はぎこちなかった2人がバディとして徐々に熟成していくさまが何とも気持ちいい。5月にはシリーズ第2弾で初の長編『石礫』も刊行される予定です。こちらもお楽しみに!


 続いては若竹七海さんの『殺人鬼がもう一人』を。弊社刊の『暗い越流』の表題作で日本推理作家協会賞・短編部門を受賞された短編の名手、若竹さん。本書は、とある東京郊外にあるベッドタウンを舞台にした連作短編集です。登場人物たちがみな一癖も二癖もある人間ばかりで、読者の予想のできない展開。ブラックな味わいを楽しめます。昨年刊行された『パラダイス・ガーデンの喪失』は長編になりますが、こちらも必読の傑作です。
 もう一作は林譲治さんの『不可視の網』を挙げましょう。林さんは《星系出雲の兵站》全九巻で日本SF大賞、星雲賞を受賞した日本SF界を牽引する方。光文社文庫初登場となる本書もSF的な設定を生かしつつ、近未来の極限まで監視システムが行き届いた都市を舞台に、そこで起きる犯罪を描くハードボイルド・サスペンスです。背景では貧困問題や差別問題など、現在の日本の大きな課題にも注目した力作です。
 さて、無事に開催してくれると信じていた戦術音楽ユニット・ワルキューレのライブ、「ワルキューレ リボーン!」初日に参戦してきました。今回は昨年公開された『劇場版マクロスΔ   絶対LIVE‼︎‼︎‼︎』の物語に添ったセットリストで、音と映像が渾然一体。私の前にいた女の子たちは、途中、フレイアの歌う「愛してる」のあたりで号泣、こちらも思わずもらい泣き。心から感動しました。最高のワクチン、ありがとうございました! 

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