編集長ジミーがオススメ、8月の光文社文庫!

文字数 1,090文字

 Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと」に行ってきました。ジミーもはるか昔、『だるまちゃんとてんぐちゃん』をはじめ何冊も絵本は持っていて、愛読していました。そんな楽しい作品の数々はもちろん、科学者の視点を持っていた、かこさんが92歳で亡くなるまで手を入れていたという大作「宇宙進化地球生命変遷放散総合図譜」は圧巻でした。最後まで意欲的に創作を続けていたその姿勢に心から尊敬の念を抱きました。


 さて、光文社文庫8月のラインナップ。まずは芦辺拓さんの『おじさんのトランク 幻燈小劇場』からオススメします。本格ミステリ界で長く活躍されている芦辺さんですが、今年は『大鞠家殺人事件』が推理作家協会賞と本格ミステリ大賞を受賞。おめでとうございます! 一方の本書は本格ミステリというよりも、少し異色な、幻想的な物語の連作短編集です。この路線には『奇譚を売る店』(酒飲み書店員大賞受賞作!)、『楽譜と旅する男』がありますが、ぜひ続けてどうぞ。


 続いては渡辺裕之さんの『死屍の導 警視庁特命捜査対策室九係』を。「傭兵代理店」シリーズなど、国際的なスケールの冒険小説を描く渡辺さんですが、本書は、始まりは一見、普通の警察小説。地道な捜査が展開しますが、途中から渡辺さんらしい国際的な陰謀が背景に現れ、一気読み必至の力作です。こちらはシリーズ3作目で、もちろん本書だけでもおもしろいですが、まずは第1作からお読みください! 登場人物たちの変化や、今回登場の新キャラなどよく味わえますので。
 最後に梶山季之さんの『李朝残影 反戦小説集』を挙げましょう。「トップ屋」という言葉はまさに梶山さんのためにあった言葉ですが、ジャーナリスト兼作家として、経済小説や推理小説に数多くの傑作を送り出してきました。その梶山さんが生まれ育った地である日本支配下の朝鮮での物語です。日本がその地で何をしてきたのか、鋭く抉るように描かれます。8月ということもありますが、あらためて戦争の影が世界を覆うような現在だからこそじっくり読みたい作品です。

 『マツコの知らない世界』の「アニメ聖地巡礼」の話はおもしろかったですね。私もちょこちょこ巡礼していますが、出てきたみなさんはさすがの強者でした。かなりアニメ映像も流れましたが、個人的には『天体のメソッド』は嬉しかったな。洞爺湖へ行ったことを思い出しました。アニメファンが地域活性化に一役買っているのは疑いない事実ですね! そしてオタクは礼儀正しい、との言葉も強調しておきましょう(笑)。まだ行ってない大洗へはいつ行こうかな。

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