編集長ジミーがオススメ、2月の光文社文庫!

文字数 1,141文字

 これは観なくてはと思っていた『モリコーネ 映画が恋した音楽家』。師弟関係ともいえるジュゼッペ・トルナトーレが監督しただけあってエンニオ・モリコーネに対する愛が全編に溢れていました。出世作ともいえるセルジオ・レオーネ作品からアカデミー賞を受賞した『ヘイトフル・エイト』まで、日本未公開映画の名曲も含めてたくさん聴けて嬉しい限り。いまもサントラを聴きながら書いてます。不朽の大著『エンニオ・モリコーネ映画大全』をまた読みたくなりましたが、家のどこにあるのか探さないと(苦笑)。


 さて、光文社文庫2月のラインナップ。まずは雪富千晶紀さんの『ブルシャーク』からオススメします。昨今のサメ映画ブームはNHKでも特番をするくらいでしたが、雪富さんもその番組に出演するほどの「専門家」。ゆえにこの作品がおもしろくないわけがありません! とある湖で開催されるトライアスロン大会。しかし、その湖には巨大なオオメジロザメが……!? まさに王道のパニック展開が待っています。3月には単行本で続編の『ホワイトデス』も控えていますが、そちらも大注目です。


 次に三沢陽一さんの『なぜ、そのウイスキーが謎を招いたのか』を。なぜバーとミステリーはこれほど相性がいいものでしょうか。ミステリーファンなら幾多の名作が思い当たると思いますが、本書もその系譜を継ぐ作品。仙台のとあるバー。そこを訪れた人たちが語る個人的な謎の数々に対して、「わたしの方で用意しておりました」と快刀乱麻を断つマスターの名推理。登場するウイスキーについての蘊蓄もたっぷり。こちらは前作『なぜ、そのウイスキーが死を招いたのか』もぜひ!
 最後は門前典之さんの『友が消えた夏 終わらない探偵物語』を挙げましょう。第11回鮎川哲也賞を受賞してデビューした門前さんですから、まさにこちらはド直球の本格ミステリーです。ある大学の演劇部が夏合宿で訪れた館で起きる、不可能としか思えない連続殺人。一応の解決を見ていた事件でしたが、その詳細な記録が見つかって、それを渡された探偵の推理は……。複雑な構成の中に、これでもかというアイデアを盛り込んでの圧倒的な展開。読み始めたら一気読みです。

 東京では松屋銀座で開催されていた『アニメージュとジブリ展』。私も小学生の頃から大学卒業までアニメージュは毎月買っていました。先日の「タツノコプロ創立60周年記念特別公演」で影山ヒロノブさんがおっしゃっていた、40年前の水木一郎アニキの記事も見られて感激です。そして若き編集部の活気にあふれた様子が伺えたのも楽しかったな。私も週刊宝石時代にそんな時代の最後の空気感を味わえた一人ですし、少しでも伝えていきたいものです。実家に帰ったら「ナウシカトランプ」も探さなきゃ(笑)。

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