編集長ジミーがオススメ、12月の光文社文庫!

文字数 1,050文字

 行ってきました、長崎県は五島列島の福江島。今年は五島を舞台にした朝ドラの『舞いあがれ!』にドラマの『ばらかもん』もありましたが、私が初めて行ったのはアニメ『ばらかもん』の聖地巡礼(笑)。それから何度も訪れていましたが、コロナ禍もあり今回は5年ぶりでした。そしてまたも地元のみなさんには大変お世話になりました。美味しい料理もいただき、映画『悪人』でも有名な大瀬埼灯台をはじめ久しぶりに訪れる場所もやっぱり美しかった。来年、また行きますね!


 さて、光文社文庫12月のオススメ。まずは奥田英朗さんの『コロナと潜水服』からいきましょう。シリアスな作品からユーモアあふれるものまで、オンリーワンの世界観を持つ名手の傑作短編集になります。表題作はタイトル通りコロナ禍の社会での、少し奇妙な家族の関係を描いていますが、その他4編も味わい深い作品が並んで、まさしく奥田英朗さんの「マジックアワー」を体験できます。読後に少し気持ちが温かくなる、とても素敵な一冊をぜひ。

 次は藤崎翔さんの『三十年後の俺』を挙げましょう。『逆転美人』などでブレイク中の藤崎さんですが、全編、シュールでユニークな作品を集めたこちらも短編&ショートショート集です。未来からやってきたという「俺」、選挙に立候補した「悪魔党」の候補者など……多彩でちょっと不思議な物語ぞろいですが、どれも笑える作品ばかりなのは元お笑い芸人の著者ならではでしょうか。書店員芸人のかもしだセブンさんの解説にもご注目!
 最後は知恵の森文庫から、赤塚不二夫さんの『まんが 赤塚不二夫伝』を。いまさら言わずもがなの日本のギャグマンガを築いた巨匠の、プロデビュー前からの貴重な作品を集めた一冊です。自伝的な話ではやはりトキワ荘での石ノ森章太郎さんとの友情が感動的ですし、その時代の雰囲気が伝わってきます。さらにデビュー直後のあまり知られていない作品も多く掲載。フジオ・プロの松木健也氏の詳細な解題、末井昭氏の解説も必読。マンガファンなら必携です!
 この秋の来日オーケストララッシュは凄かったですね。ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウの三大オケをはじめ、大注目のクラウス・マケラさんが指揮したオスロ・フィルなどなど。ただヘルベルト・ブロムシュテットさんが来日できなかったのは残念でした。ご高齢ですし、お元気でいてくれるだけで嬉しいですが、ブルックナーの交響曲第5番は聴きたかった……。来年はブルックナーイヤー。いい演奏をたくさん聴きたいものです。

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