編集長ジミーがオススメ、10月の光文社文庫!

文字数 1,124文字

 先日はジョン・ウィリアムズさんの来日がありましたが、この秋は彼に関する演奏会が立て続けに開催されています。『スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望』のシネマコンサート。大スクリーンで観るのは本当に久しぶりでしたが、原田慶太楼さんのノリのいい指揮もあって大盛り上がり。さらにゆかりの深いボストン・ポップスも来日。ウィリアムズさんのインタビュー映像を交えながら名曲の数々を演奏。特に『タワーリング・インフェルノ』を演奏してくれたのは嬉しかったな~。本当に名曲は不滅ですね!


 さて、光文社文庫10月のオススメ。まずは水生大海さんの『宝の山』から参りましょう。トリッキーで、かつ社会問題への視点が光る水生さんの力作です。かつては温泉街として賑わっていたが、現在は過疎化の進む村で、村おこしのために雇われていたブロガーが失踪。そしてその代役を頼まれた女性と高校生がその謎を追っていくと、村に隠されていた秘密が……。閉鎖的な社会での生活経験がある方にとっては、この物語を読んでいろいろ感じる方もいるのではないかと思います。

 次に田中兆子さんの『あとを継ぐひと』を。個人的には現代におけるさまざまな問題を深く考えさせられる傑作SF『徴産制』が印象深いですが、本書もやはり現代社会においての大きな問題、「後継」がテーマになっています。たとえば地方の店、たとえば会社、たとえば農家……身近にもそういった問題を抱えている家はあるのではないかと思います。そしてサラリーマンという立場でも何かを継ぐ、ということとは? 「あとを継ぐ」ことを考えたことのない方にも一読してもらいたい作品です。
 続いては山本巧次さんの『岩鼠の城 定廻り同心 新九郎、時を超える』をご紹介いたしましょう。こちらは先月刊行された『鷹の城 定廻り同心 新九郎、時を超える』の続編で、今作はなんと文庫書き下ろしになります! タイトルからわかるように江戸時代の同心がタイムスリップしてある時代へ跳んでしまうのですが……この独創的な趣向で、堂々たる歴史ミステリーが展開いたします。もちろんこちらだけでも十分おもしろい作品ですが、まずは前作からぜひ。おもしろさ倍増は間違いありません!
 毎月ドラマ『ばらかもん』のことを書いていたような気がしますが(笑)、最終回は感動で泣きました。これでちょっと気が抜けるなと思ったらすぐに始まった『パリピ孔明』。コミックも読んでいますしアニメも最高でしたが、ドラマも向井理さんの孔明がピッタリすぎるなと思っていたら、いざ観たら英子の上白石萌歌さんやオーナーの森山未來さんなど絶妙のキャスティングで、そして音楽も素晴らしすぎました。この秋もまた一つ楽しみが増えました。

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色