編集長ジミーがオススメ、3月の光文社文庫!

文字数 1,164文字

 ここしばらく訃報についてばかり書いている気がしますが、これだけは書かないといけません。松本零士さんのご逝去。『銀河鉄道999』を筆頭に数々の名作を描かれ、その多くがアニメ化されて一大ブームを巻き起こしました。私ももちろんハマった一人。ゴダイゴの歌う劇場版の主題歌をカラオケで歌った回数は200回は超えているでしょう。そういえば会社にはそのサントラLPと、ある方からいただいたシングルレコードもあったりします。いつまでも歌い継いでいきたいです!


 さて、光文社文庫3月のオススメ。まずは茜灯里さんの『馬疫』から参りましょう。こちらは第24回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作です。2024年、欧州での新型コロナウイルス感染爆発により、夏季五輪が再び東京で開催されることになった近未来。そんな時に日本で「新型馬インフルエンザ」が発生し……。獣医学者でもある著者の正確な描写が、もうひとつの未来をリアルに構築し、パニック小説としても読み応え十分。むしろ、コロナ禍が収束に向かいそうな今こそ読んでいただきたい作品です。

 続いては、藤山素心さんの『はい、総務部クリニック課です。私は私でいいですか?』を。昨年刊行された1作目が大好評で、早くも3作目の刊行も予定されている人気シリーズです。著者の藤山さんはやはり医師。キャラクター文庫で「江戸川西口あやかしクリニック」シリーズもあります。会社員生活を続けていれば、誰もがどこかで体の不調を感じる時が一度や二度はあるでしょう。そんな時にこのクリニック課があればな〜と思うこと間違いなし。きっとみなさんの元気が出るだろう、お役立ち情報も満載です!

 最後は時代物から、光文社文庫には初登場の篠綾子さんの『翔べ、今弁慶! 元新選組隊長松原忠司異聞』を挙げましょう。幕末の新選組で大薙刀を使い「今弁慶」と称された四番隊隊長、松原忠司。彼が命を失う寸前に意識を失い、目を覚ますとそこは本物の弁慶のいる源平合戦の時代だった! 最近の時代小説にはこうしたタイムスリップものは他にもありますが、この趣向がなんともユニーク。源義経主従の最期を歴史上の事実として知る忠司がどのように振る舞うのか、そしてどんな結末を迎えるのか。感動の力作をぜひ!

 NHK BSプレミアムで放送されている、過去の番組を振り返る『プレミアムカフェ』。しばらく前にあの「少年ドラマシリーズ」の一本『蜃気楼博士』を全話放送してくれたのは感動しましたが、今回は斬新な「アニメ+実写」で当時も話題になった『マルコ・ポーロの冒険』がちょうど文庫発売の現在放送されているはずです。紛失されていた話は視聴者の方からのビデオ提供などで実現したとのことですが、私も観るのは40数年ぶり。小椋佳さんの主題歌も素晴らしい。NHKさん、次はぜひ全話放送を!!

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