編集長ジミーがオススメ、9月の光文社文庫!

文字数 1,124文字

 ジョン・ウィリアムズーー言わずと知れた映画音楽の巨匠が、なんと30年ぶりの来日。サイトウ・キネン・オーケストラを指揮して自らの作品を演奏。ステージ後半からの登場でしたが、入場するだけでスタンディング・オベーション。『スーパーマン』に始まり、『ハリー・ポッター』、『スター・ウォーズ』など不滅の名曲の数々。アンコールの最後の曲では「ダース・ベイダー!」との一声。いつまでもカーテンコールが続き、観客のみなさんとずっとずっとこの雰囲気を味わっていたかったです。

 

 さて、光文社文庫9月のオススメ。まずは朱川湊人さんの『鬼棲むところ 知らぬ火文庫』からご紹介。『狐と韃 知らぬ火文庫』に続く、『今昔物語』『日本霊異記』などの説話を大胆に描き直した作品集の第二弾になります。特に本書はタイトル通りの「鬼」がテーマ。あの大ヒットアニメも記憶に新しいですが、日本人の誰もがイメージする鬼。それは平安朝の昔からずっと心に棲んでいる存在なんでしょうか。物語を読む中で、そんな鬼の意味もあらためて考えさせられる一冊です。

 次に尾道理子さんの『明治白椿女学館の花嫁 落ちぶれ婚とティーカップの付喪神』を挙げましょう。アジアンファンタジー、「皇帝の薬膳妃シリーズ」で大人気の尾道さんが本文庫に初登場です。こちらは明治時代、お嬢様たちが通う女学館が舞台。婚約披露の日に突然、人生の危機に直面した男爵令嬢に手を差し伸べてくれた謎の男性。その申し出に戸惑いながらも、新しい自らの道を発見していく主人公。ちょっぴりの不思議要素も交えつつドラマチックな物語が展開します! 

 続いては小野はるかさんの『星降る宿の恵みごはん 山菜料理でデトックスを』を。こちらも大人気「後宮の検屍女官シリーズ」の小野さんも本文庫に初登場となります。会社をリストラされて失意の主人公が訪れたのは、子どもの頃に滞在したことのある地、只見にある宿。その宿の名物である山菜料理は、美味しいだけでなく、傷ついた心まで満たしてくれるものでした……。まさに身体も心もデトックス。読んでいて、こんな宿に泊まってみたい!と誰もが思うことは間違いありません。

 昨年、個人的にも印象深いドラマだった『量産型リコ プラモ女子の人生組み立て記』ですが、まさかこのような形での第二弾とは。与田祐希さんはじめ、俳優の多くは再登場で同姓同名、ですが今回は「もう一人のプラモ女子の人生組み立て記」というように、全く違う役柄の新しい世界線での物語。ただし矢島模型店は共通で、どこかでキャラが繋がっている感じがうまい! 最後にリコが作ったボトムズのジオラマは感涙でした。ジミーも『水星の魔女』のイベントでもらったプラモを作らなきゃ……。

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