編集長ジミーがオススメ、9月の光文社文庫!

文字数 1,126文字

 待望の「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選3」が始まりました。まずは『華麗なる大泥棒』を初めて観ましたが、まさにこれは『ルパン三世』! ベルモンドがルパンは当然として、相棒のロベール・オッセンやしつこく彼らを追う警部のオマー・シャリフが、次元大介と銭形警部そのもの。さすがに五ヱ門はいませんでしたが(笑)。ジャッキー・チェンのあの映画を思い出させる捨て身のアクションも凄すぎますし、やはりベルモンドは偉大。今回も全作品観たいと思います!


 さて、光文社文庫9月のラインナップ。まずは上野歩さんの『あなたの職場に斬り込みます!』から。上野さんといえば「お仕事小説」の名手ですが、本書もそんな上野さんならではの一冊。セクハラやパワハラだけではなく、どんな職場でもさまざまな問題はありますよね。そんな問題に雇用環境・均等部の間宮璃子たちが斬り込みます。形は違っても思い当たる話はみなさんあるのでは……。ちなみに璃子がハローワーク勤務時代の物語『天職にします!』も本文庫から刊行されていますよ。


 続いては麻宮ゆり子さんの『世話を焼かない四人の女』を。こちらもある意味お仕事小説ですかね。働く女性たち四人が直面する困難にどう対処するのか。事情はそれぞれ違いますが人生の岐路に、一歩踏み出します。ところで麻宮さんは「敬語で旅する四人の男」で第七回小説宝石新人賞を受賞されていますが、うん!? どこかタイトルが。そうなんです、本書にはその受賞作に登場したユニークな人物も再登場しています。もちろん話は独立していますが、彼が気になったらぜひそちらも。
 最後にキャラクター文庫から白川紺子さんの『花菱夫妻の退魔帖』を挙げましょう。累計100万部突破、10月から始まるアニメ『後宮の烏』も非常に楽しみな白川さんの新しいシリーズが光文社文庫に登場です! こちらの作品は大正浪漫の趣。怪談蒐集を趣味とする侯爵令嬢・瀧川鈴子が、不思議な力を持った青年男爵・花菱孝冬と運命的な出会いをし、その彼に求婚されて「花菱夫妻」に。その二人の前で起きる悪霊の絡んだ怪異にどう立ち向かうのか……。期待の新シリーズのスタートです。
 それにしても『量産型リコ』は素晴らしいドラマでしたね。最初は乃木坂46の与田祐希さんの可憐さを愛でるドラマかと思いましたが(もちろん与田さんはかわいかったですが)、お仕事ドラマとしてたいへん共感するものがありました。毎回の物語とその回で作るプラモデルとがピッタリで、オタク心にもアピール(笑)。いや、続編もぜひ、と思います。今月はたまたまお仕事話が多くなりましたが、やっぱり職場は問題があっても、一人一人が心を通わせ乗り越えていかなくては、とあらためて思いますね。

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