編集長ジミーがオススメ、3月の光文社文庫!

文字数 1,183文字

「アニメ『夏目友人帳』劇版コンサート〜いとうるわしき夢より〜」に行ってきました。音楽担当の吉森信さん率いるオーケストラには、箏や三味線など和楽器も入って、優しく癒される曲の数々が胸に沁みます。アニメの映像がバックに流れるわけではなくとも、詩舞を使った素敵な演出がマッチして、名場面も浮かんできます。さらにコンサート前には物語の舞台でもある熊本からくまモンも来場して気分を盛り上げてくれました。アンコールには新曲も! 近いうちに放送される予定のアニメ7期も楽しみにしています。


 さて、光文社文庫3月のオススメ。まずは佐藤正午さんの『ジャンプ 新装版』から。デビュー40周年を迎えた佐藤さんですが、「唯一無二の作家」という言葉がこれほど似合う方もいらっしゃらないでしょう。その代表作の一つが新装版として登場です。リンゴを買いに出かけたまま姿を消した恋人。五分で戻るはずだったのにどこへ行ってしまったのか? 一度読み始めたら止まらないこと必至。未読の方も再読の方もぜひ。佐藤さんはこの作品を皮切りに『身の上話』、『彼女について知ることのすべて』の新装版が連続刊行予定です。

 次に第25回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作、麻加朋さんの『青い雪』を挙げましょう。冒頭、幸せそうな母と娘が、投身自殺の女性に巻き込まれ、その女性が残した言葉……。その後、物語は一転、避暑地の町で、年に一度、夏休みをともに過ごしていた家族に起きた一人の少女の失踪事件。六年の時を経て、事件に再び光が当たる中で、家族に隠されていた秘密とは? そして驚くべき真相。ミステリーで言う「フィニシング・ストローク」とはまさにこの作品のためにある言葉と言っても過言ではないでしょう。
 続いては、同じく第25回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作、大谷睦さんの『クラウドの城』を。こちらはガラッと変わってハードボイルド。主人公はイラク帰りの元傭兵。世界的なIT企業のデータセンターの警備の仕事に就いた彼の前で連続密室殺人が発生。厳重なセキュリティーシステムを備えたデータセンターは「クラウドの城」と化し、主人公は知力体力を駆使して殺人者と対峙する……。受賞作のバラエティさがこの賞の醍醐味。ぜひとも2冊ともお読みいただければと思います。
 先日最終回を迎えた『王様戦隊キングオージャー』。最後の3話の盛り上がりは、すべてが劇場版並みと大評判でしたがまさにその通り。そこに至るまでの物語(兄弟の愛憎には涙)が丁寧に描かれ、最終決戦では王たちに逆らって民が加勢していくというドラマチックな展開。驚異的な映像とともに激アツでした。戦隊シリーズの第一作である『秘密戦隊ゴレンジャー』から観ているジミー(途中、観ていなかった時期も長いですが……)ですが、最高傑作だと思います。次の『爆上戦隊ブンブンジャー』も期待しています!

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色