編集長ジミーがオススメ、7月の光文社文庫!

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 もう、冒頭のアンセムとケニー・ロギンスで感涙ですね……。大ヒット中の『トップガン マーヴェリック』ですが、ジミーも最初の『トップガン』を劇場で観ています。サントラも何十回も聴いてきました。なぜいま続編を、とも思ったのですが、前作への愛情がこれほど溢れているとは思いませんでした。むしろ前作の評価も上がった気すらします。それにしても還暦を迎えたトム・クルーズ。ホントに凄い。そしてアイスマン……。


 さて、光文社文庫7月のラインナップ。まずは昨年の秋、急逝されました笹本稜平さんの『サンズイ』から。警察小説を中心にドラマ化された作品も多い笹本さんですが、本書はタイトルの「サンズイ」が意味する汚職事件を追っていた刑事が罠にはまり、警察組織を敵に回しながら、信頼のおける仲間と巨悪に立ち向かいます。まさにドラマを観ているような臨場感で、感情移入することは間違いなし。笹本さんは警察小説以外でも『天空への回廊』など冒険小説の超大作もオススメ。その小説は不滅です。


 続いては乾ルカさんの『心音』を。こちらも骨太な社会派の力作です。先天性の心疾患のあった明音は、両親が一億五千万円の募金箱を集め、アメリカで心臓移植手術を受けることができましたが、同時期に同じように募金活動をしていた少女がいて……。奇跡的に命を救われたはずの明音に、過酷な運命が次々に訪れ、衝撃的なラストまでじっくり読ませます。タイトル、そして主人公の名前に込められた、その「音」の意味をきっと噛み締めることになるでしょう。

 最後に岡本太郎さんの『今日の芸術』を挙げましょう。あの「太陽の塔」でもお馴染みの岡本さんの、七十年近く前に書かれた芸術論ですが、その言葉はまったく古びていません。今回、知恵の森文庫からの新装版になりますが、ぜひ、新たな読者のみなさんに読んでほしいと思います。余談ですが、先日、たまたま東京国立近代美術館の所蔵作品展、MOMATコレクションを観ていたら、最初に弊社から出た単行本のカバー画となった巨大な絵と共に、その原本も展示してあり感激しました。

 それにしても『くノ一ツバキの胸の内』。アニメもおもしろかったのですが、そのエンディング! 「あかね組活動日誌」を12組の声優がそれぞれ歌詞も違い、アレンジも違う曲を毎回歌って楽しすぎました。最終回の全員バージョンに、CDには先生バージョンまで。本編終了後の特番では、すべてを作詞した、くまのきよみさんが苦労話を語っていましたが、各組にぴったりの歌詞も素晴らしい。また全話観たくなってしまいますよね!

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