2022年10月の新刊!

文字数 1,633文字

敏腕出張書店員・内田剛さん(人呼んで「アルパカ」さん)に、今月の文庫新刊が分かるリリカル・エッセイを書いていただきました! 月一更新です。お楽しみください!(tree編集部)

書き手:内田剛


アルパカにしてブックジャーナリスト。POPを描き続け、王の称号を得る。最近では動画にも出たりして好きな小説を布教しているらしい。


Twitter:@office_alpaka

『失楽園のイヴ』は『この季節が嘘だとしても』、

『小麦の法廷』で『凛として弓を引く』!

さて柳広司『はじまりの島』で山田詠美『ファースト クラッシュ』。スティーヴン・キング『ファイアスターター(上下)』のお祭り状態。藤本ひとみ『失楽園のイヴ』と呼ばれた阿部智里『楽園の烏』は太田忠司『猿神』と一緒に真山仁『神域』に突入し、武田泰淳『貴族の階段』を駆け上がって山本文緒『自転しながら公転する』。本城雅人『オールドタイムズ』の藤野香織『ピエタとトランジ』は河合莞爾『ジャンヌ』のごとく石持浅海『不老虫』やまさきとしか『屑の結晶』と立ち向かう。小野寺史宜『タクジョ!』は大石大『シャガクに訊け!』。世界的な異常気象だが富良野馨『この季節が嘘だとしても』決して名取芳彦『急がない、急かさない』。


藤崎翔『逆転美人』の横関大『彼女たちの犯罪』だった東川篤哉『魔法使いと最後の事件』と中山七里『毒島刑事最後の事件』の天野節子『容疑者は何も知らない』けれども仁木悦子『猫は知っていた〈新装版〉』。日明恩『ゆえに、警官は見護る』。しかし伊坂幸太郎『シーソーモンスター』のごとく迷いが出たら春日武彦『屋根裏に誰かいるんですよ。都市伝説の精神病理』と通報のあった吉田篤弘『屋根裏のチェリー』を目がけて碧野圭『凛として弓を引く 青雲篇』。これでどんな望月諒子『殺人者』も貫井徳郎『罪と祈り』を捧げるだろう。


赤川次郎『素直な狂気』から起きた小林泰三『ティンカー・ベル殺し』のフェルナンド・フォン・シーラッハ『刑罰』は門井慶喜『定価のない本』に書いてあるらしい。我孫子武丸『監禁探偵』は柴田よしき『自滅』して法月倫太郎『二の悲劇 新装版』で西尾維新『悲鳴伝』。法月倫太郎『法月倫太郎の消息』が気になり、村山由佳『BAD KIDS』の中島京子『キッドの運命』やいかに。木内一裕『小麦の法廷』は開かれども矢作秀作『死してなお』謎は残る。気持ちがささくれたら新井素子『絶対猫から動かない(上下)』ようにしよう。新美敬子『世界のまどねこ』たちも泉ゆたか『お江戸けもの医 毛玉堂』で毛づくろい。気持ちが良すぎて小島環『泣き娘』状態になる。


食欲の秋で『はらぺこ〈美味〉時代小説傑作選』だ。阿川佐和子『アガワ家の危ない食卓』には気をつけて小川糸『ライオンのおやつ』で井上荒野『荒野の胃袋』はきっと満腹。ついに紙吹みつ葉『おいしい給食 卒業』だ。誉田哲也『背中の蜘蛛』とウエスト廻りが気になったが松浦弥太郎『それからの僕にはマラソンがあった』。遠田潤子『銀花の蔵』にあった江國香織『旅ドロップ』なめたら今村翔吾『湖上の空』へ。秋川滝美『ひとり旅日和 縁結び!』の勢いで椎名誠『この道をどこまでも行くんだ』。


角幡唯介『極夜行前』に小林秀雄『戦争について』語ればアーカデイ・マーティーン『平和という名の廃墟(上下)』が見えてくる。新川帆立『倒産続きの彼女』との宇江佐真理『恋いちもんめ』の夢に敗れて、我が高原英理『ゴシックハート』は朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』。桜井美奈『相続人はいっしょに暮らしてください』と言われた坂井希久子『妻の終活』。石田衣良『清く貧しく美しく』生きてきたがその伊藤比呂美『道行きや』いかに。宮部みゆき『さよならの儀式』で今野敏『最後の封印〈新装版〉』。河野裕『さよならの言い方なんて知らない。(7)』けれど橋爪駿輝『さよならですべて歌える』。ともあれ田中兆子『私のことならほっといて』これにて朝井まかて『グッドバイ』。

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