2022年3月の新刊!

文字数 1,340文字

敏腕出張書店員・内田剛さん(人呼んで「アルパカ」さん)に、今月の文庫新刊が分かるリリカル・エッセイを書いていただきました! 月一更新です。お楽しみください!(tree編集部)

書き手:内田剛


アルパカにしてブックジャーナリスト。POPを描き続け、王の称号を得る。最近では動画にも出たりして好きな小説を布教しているらしい。


Twitter:@office_alpaka

●『掃除婦のための手引書』で、『選ばれる女におなりなさい』! 

 冬季オリンピックも終わって『アスリート』たちの休息だ。宮部みゆき『きたきた捕物帖』が面白すぎて久世番子『よちよち文藝部』も田中小実昌『ふらふら日記』。深緑野分『ベルリンは晴れているか』と思っていても、国井桂『ツユクサ』生い茂り、どうなる藍川竜樹『ぼくのサボテンテラリウム』。
唯川恵『雨心中』で季節外れの吉川英梨『雨に消えた向日葵』。パトリシア・ハイスミス『水の墓碑 銘』が刻まれた畑野智美『水槽の中』は窮屈なので柴田勝家『宵待ちカタリゴト』をしながら角田光代『いきたくないのに出かけていく』。千早茜『わるい食べもの』を食べたせいか貫井徳郎『迷宮遡
行』で榎田尤利『永遠の昨日』では一向に始まらない。近藤史恵『歌舞伎座の怪紳士』と堀川アサコ『幻想遊園地』で遊んでいれば、ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ『選ばれる女におなりなさい デヴィ夫人の婚活論』と言われてしまった横溝正史『壺 中美人』は横溝正史『華やかな野獣』となる。上田早夕里『リラと戦禍の風』の中で、藤崎翔『指名手配作家』は吉村達也『ケータイをヤバい男に拾われて』まさに京極夏彦『地獄の楽しみ方』を味わうはめに。遠田潤子『廃墟の白墨』で喜多嶋隆『C しおさい楽器店ストーリー』と書いてみる。赤瀬川原平『四角形の歴史』も二宮敦人『四段式狂気』も気になるが、なにはともあれ水村美苗『日本語で書くということ』が大切だ。川端康成『少年』は幸田文『木』と高樹のぶ子『格闘』して篠田節子『肖像彫刻家』となる。兄が木ならば最果タヒ『少女ABCDEFGHIJKLMN』と呼ばれていた赤川次郎『いもうと』は、中村きい子 『女と刀』を携えて楡周平『鉄の楽園』へ。葉室麟『オランダ館の娘』は吉川トリコ『女優の娘』。それが内海隆一郎『だれもが子供だったころ』の思い出だ。しかし安東能明『消えた息子』とヤンシ イー・チュウ『彼岸の花嫁』が現れて酒井順子『家族終了』。桜木紫乃『緋の河』を渡れば立川志の輔『大河への道』。李龍徳『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』森村誠一『花の骸』となって長岡弘樹『119』通報が間に合わず、中山七里『死にゆく者の祈り』が聞こえてくる。ビートたけし『浅草キッド』と柳広司『百万のマルコ』で一緒にさんざん遊んだので、佐藤優『人生のサバイバル力』もついてきた。そろそろ辻堂ゆめ『卒業タイムリミット』となり島本理生『夜はおしまい』。伊藤詩織『Black Box』の石持浅海『真実はベッドの中に』あるから、伊藤比呂美『比呂美の万事OK!』だ。樋口有介『うしろから歩いてくる微笑』が何となく怖いが森博嗣『アンチ整理術』とルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』で立つ鳥跡を濁さず。

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