第36回/上京してから借りたアパートとかルームシェアでの家賃とか

文字数 4,230文字

こちらはインターネットに生息するふしぎないきもの・にゃるらがインターネットと独り暮らしとそれ以外について深夜に執筆している画像付きエッセイです。→@nyalra


第1回はこちらから

 新年度も落ち着き、フォロワーの若者たちが来年度からの将来を意識して、悩み始めている様子が散見されるようになりました。

 「僕ってどうすればいいですか?」という質問も、たまにくるように。他人の人生なので深入りはできないですけどね。20代前半くらいはフリーターで遊んで暮らしても良いと思っております。実際、僕もたまに文章書く以外は日雇いバイトくらいでしたし。


 とはいえ、じゃあどうやってその状況で都内(または近辺)で暮らしていくのかと、さらに不安になっている方もいます。僕は学生ローンでお金を借り続けておりましたが、せっかくですので、僕が都内近辺をウロウロ移住して、その時どんな家賃で、どのような生活だったか書いておきます。

 なんらかの参考になると幸いです。といっても、僕は殆どルームシェアやシェアハウスなので、条件が少し違いますけどね。他人と住むと、なにもかも安くなるんだ。安寧を犠牲にして……。


・上京したて鶴見で一人暮らし

 上京とは言っても、沖縄のスラム育ちが都内で一人暮らしできる余裕はありません。なので、神奈川の方でアパートを借りました。

 「鶴見駅」という、川崎の隣の駅ですね。鶴見自体は工業地帯で面白味はあまりありませんでしたが、散歩で川崎を回ったり、電車一本で秋葉原に行けて、そんなに不便を感じませんでした。

 お墓がすぐ隣にある上に(敢えてそうしたのですが)、駅から徒歩15分の場所だったので、家賃は4万円です。家賃相応の狭くて古めの建物でしたが、10代のガキにとっては大満足。そもそも自分の部屋があるってだけで何でも良かった!

 しかし、家賃4万とはいえ、大学中退無職にとっては結構重かったです。

 コンビニ夜勤バイトで月10万くらい稼いでいたものの、6万円で他のすべてを回すのはなかなかつらい。しかも、月10回すらバイト行かなくなるし!

 そこで、Twitterで出会った友人とルームシェアをすることにしたのです。

 まあ僕がもうちょっとバイト入れたら成立する話なので、この暮らしでもどうにかなると思います。都内だって、すぐいけるし。駅は遠かったですけど……。


・明大前でルームシェア

 Twitterで知り合った同年代の友人が、「同じく大学を辞めたので家から出て行けと言われてしまった」とのことで、条件が一致し、二人で暮らして家賃を抑えることに。

 ふたりで不動産屋を回り、都内で安い物件を探していく。見つかったのは明大前と代田橋駅の中間にある、超ボロっちいアパート。なんとエアコンも無し! 2部屋で6万5千円。つまり、一人3万2千500円ですね。

 当時の部屋。シールなんて貼っちゃってちょっとオシャレ。借金して購入した大槍先生の絵に祈りを捧げ続ける日々。

 どんなにボロくたって、友達とならやっていけると信じて契約(友達の親が保証人で)。初期費用のために学生ローンやクレカ現金化で多額の借金をゲット! やったね! リボ払いと鬼電に苦しまされる日々へ突入……。

 家賃がさらに安くなったのも助かりましたが、電気代やネット代が半額なのも非常に助かる! エアコン無いから電気代安いし。

 電気代8000円、ガス代3000円、水道代2000円、ネット5000円だとしても(おそらく平均それくらい)、二人で割れば9000円で済むのだ! つまり4万1千円あればどうにかなる暮らしへ。

 ちなみに、恐らく古すぎて元はトイレが和式だったのですけど、そこに無理やり洋式へ取り替えたせいで、トイレが異様に狭くて来客たちに大不評でした。僕は小さいのでどうにかなったけど。こういう弊害もある。虫もいっぱい居ましたね。それも、僕はあまり気になりませんでしたが……(最強)。

 この頃、あまりにお金が無くて僕は保険証とスマホの契約を失います。病院に行けない上に、Wi-Fiが無ければスマホでネットを開けません。おかげで、保険証代とスマホ代が無料になりましたが……。これが最近まで続きます。

 気が合うのならルームシェアは最高ですね。僕も友人も温厚な性格なので、一切喧嘩をしなった。月4万で暮らせるのに、僕がお金無くて(もうバイトすらしなかった)電気が止まったりネットが止まったりは頻繁にありましたが、それでも笑って許してくれた。アニメの時間は二人で一緒に観てた。本当に楽しかった。

 ちなみに、友人がコンビニ夜勤を始め、毎日廃棄の弁当などを大量に持ち帰ったため、食費もほぼ必要ありませんでした。僕は食べれるなら何でもいいので、味とか健康は二の次でしたし。借金が毎月5万ずつ増えていくのを眺めるような日々でしたね。あとはずっとアニメとネット、読書などでした! もう精神が麻痺して、将来の不安とか逆にまったく無かった。いざとなれば刑務所か自己破産があると気楽に生きていました。

 この暮らしがもちろん一番良いし、月5万くらいなら日雇いバイトでどうにかなります。なので、「気が合う」のならルームシェアをお勧めしますよ。自分の温厚さに自信があれば、友人と助けあって生きていく姿が最も若者らしいと思います。

 でも、この暮らしも友人があまりにフリーターを続けすぎて、痺れを切らした親から実家へ強制送還されたせいで崩壊します。

 「こんな生活はお前のためにならん!」と怒る友人の父親。一字一句その通りなので、ただただ受け入れるしかない僕たち。子供は、無力だ。


・所沢でルームシェア

 やむを得ないので、沖縄で無職やっていた友人を一人呼びつけることにします。「格安で関東に住んで遊ぼうや!」と連絡すると、「じゃあ行こっかな〜」程度の決断で上京。うちなーの無職の適当さはレベルが違う。

 とは言え、月4万1千円ですらつらいし、さらに友人が廃棄を持って帰らないので、今後は食費もかかる。ですので、もっと安い土地を見つけて二人で引っ越すことへ。

 次の舞台は所沢。埼玉ですね。都内へ出るのに1時間程度かかりますが、とにかく安い。駅前はちょっぴり栄えているので、まぁ生活はどうにかなります。今だと角川の施設があって、少しオタクに優しくなりましたしね。

 なんと家賃は二部屋で4万円! 埼玉、恐るべし……。しかも、明大前のボロアパートに比べて、部屋は綺麗でエアコンもある! 

 お風呂がかなり古くて、今どきバランス釜で準備に時間かかりましたけどね。それくらい、この破格の暮らしに比べたらぜんぜん! というか、バランス釜の存在を、この物件で初めて知られて良かったです。昭和レトロでいいよね。

 家賃が一人2万円、他が9千円、それに食費を加えても4万くらいで暮らせたと思います。僕らぜんぜん食事量を必要としないので、なんか野菜と米を適当に混ぜて食べたりしました。

 この頃は僕もフォロワーが増えて、たまに文章のお仕事や差し入れがもらえるようになったので、徐々に借金返済に回したりしましたね。相変わらず保険証とスマホは契約できないですけど。保証人はフォロワーでした。

 もうライターとして本の執筆だったり、漫画原作のネームを行っていたので、近くの大人が契約を手助けしてくれたのです。

 こうして振り返るとゴロゴロ無職生活していただけですが、ブログなどで文章を書くことだけは忘れなくてよかった。というか、働いていない分、人一倍のオタクコンテンツを吸収できたのが功を奏したと思います。じゃない、アウトプットすることが無いんだし。


・浅草橋でシェアハウス

 そんな一見順調そうな暮らしも終わりを迎えます。

 なんと、友人が「一人で別の場所で暮らしてみる」と言い出したのです。なにもかも適当な友人なので、突然このようなことになるんですね。こういう生き方の人だからこそ、唐突にルームシェアへ乗ってくれたんですけど。


 急に家賃や生活費が2倍になるよ〜と泣いていたところ、どうやらフォロワーが浅草橋の一軒家でシェアハウスを始めるらしく、そこへ住むことに。

 「リビングの二段ベッドの一つに住むなら2万、個室なら6万」と言われましたが、個室を選択。6万は高いですが、もう本が出版されるし、なにより浅草橋は秋葉原へ徒歩10分。せっかく秋葉原が近いのに、自室にオタクグッズを飾れないと意味がない。そもそも、本が大量にあるのでリビングは無理でしたから。光熱費などは無し。食費は、シェアハウスにあるものを食べるなら都度、共用の貯金箱へお金を入れる感じ。


 ようやく人間らしい暮らしを手に入れ、感激……。お風呂とトイレは別だし、綺麗だし、駅から近くて都内のど真ん中。それが月6万で成立しているのですから、むしろ恵まれた方でしょう。

 しかし、シェアハウスはルームシェアと違って大量に人間がいるうえに、みんなと仲が良いわけではない。知らない人もどんどん入ってくるし、悪い誘惑も無限にある。

 カオスな暮らしの代わりに、人脈を得ました。イラストレーターとか、作家とか、エンジニアとか、多種多様な人物が居ましたから、僕の作家としての仕事の広がりも一気に増えましたね。精神的苦痛も多いですが、そういう成長もたしかにある、諸刃の剣のような環境です。

 びっくりなのはネット代。10人くらいが共有しているのに数千円ですから、一人暮らしで5000円出しているのが馬鹿らしく感じます。

 ちなみに、この家へ明大前でルームシェアしていた友人も住むことになります。実家へ強制送還されたあとも一向に働かないので、結局また追い出されたのです。それでこそ人生だ。


 こんな感じです。いろんな生活を書き連ねたので、どれか一つくらい参考になると嬉しいですね。これ以降は、秋葉原や中野で一人暮らしです。保険証はどうかなりましたが、スマホは契約できないままです。ブラックリスト入りしたからね!

 そんなこんなですが、意外とどうにかなったり、しなかったりです。頑張ろうね。



 せっかくなので、次はアルバイト編も。

【キプリスモルフォ】


僕が集めてきた中では、一番大きなモルフォ蝶。サイズの迫力もさることながら、濃い目な翅の蒼さがとても煌びやかです。いっしょに映っているかわいい緑はペリクレスアオネアゲハ。

来週も月曜深夜に更新予定です。それでは、おやすみなさい。

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