第32回/うるせえ、ゲームで勝負だ!!!

文字数 1,513文字

こちらはインターネットに生息するふしぎないきもの・にゃるらがインターネットと独り暮らしとそれ以外について深夜に執筆している画像付きエッセイです。→@nyalra


第1回はこちらから

 自分は格ゲーに対して「ある程度触ったことある」レベルなので詳細はわかりませんが、この前ある格ゲーマー同士がリプライでの議論が発生し、それからその二人が実際に配信で対戦することでどちらが正しいか決着をつける流れになりました。僕は、それがすごく健全なことに見えて羨ましかった。


 インターネット上での議論の不毛なんては、なんといっても「どちらが正しいか」なんて明確な勝敗が着くことなんてほぼあり得ない部分ではないでしょうか。リプライなりレスバトルなりが繰り広げられても、互いが互いを屁理屈や揚げ足取りする様子が無限ループするだけで意味がない。最悪、その場の空気でなんとなく敗者が決まることもある。それはただ多数決での勝利って場合もある。もし、荒れている話題で正論が書き込まれたとて、荒らしたいだけの大衆がほとんどであれば「なに信者が擁護しちゃってんの?」と一蹴される。この世界で争いはなくならない。


 が、格ゲーはどうだ。明確に勝敗が見える。突然行われた10先勝負によって、ただの口喧嘩も「ネットレスバトル」から「試合に臨むプレイヤー同士の前口上」になり、本人たちも観客も盛り上がる。つまり、くだらない言い争いが「プロレス」と化し、興行となる。これは素晴らしい。


 この試合の問題点としては、べつに相手の方が強かったとて、実は議論の内容と無関係ではあることです。たとえば今回の件では、あるプレイヤーが新作をとりまく空気に一言ツイートし、それに対してリプライで急に絡まれ(煽られもした)、レスバトルが展開されるなかで配信が決まったわけで、勝負は「絡まれた側」が負けてしまったのですが、だからといって元はといえば、絡まれた側もただ新作に対してひとつ意見を書き込んだだけであり、その意見に対して同調している者も少なくはなかった。けれども、もはや誰も発端なんてどうでもよくて、結局は試合の勝敗だけで盛り上がったのです。


 とはいえ、先述した通りどうせネット上の議論が解決することなんて滅多にないのだし、総じてみんな面白くて盛り上がっていましたから、こうして「ゲームによって勝者が決まる」ってシステム自体は良いことだな〜と羨ましくなる。実力ってそれだけ有無を言わさぬ強さがあるのだ。格ゲーマーにしろスポーツ選手にしろ、どんなに口や態度が悪かろうとも、好感度はともかくその実力に惹かれてファンになる人たちも多数いる。こんな明確なことなかなか無い。


 グルメ漫画を読んでいても思う。食事に関しての議論が荒れに荒れても、最終的には料理バトルで勝敗が決まり、互いが認め合う。この世のいろんなことも、もっとわかりやすく公正な審判で勝敗が決まればわかりやすいかもしれませんが、それはそれで残酷で窮屈な世界なので難しい。その点、どこまでいっても「試合は土俵の上でやろう」と持ち込めるゲーマーってカッコいいぜ。ちなみに僕は『パネポン』の対戦なら若干自信がある。僕の今回の文章にムカついた人たち、僕とパネポンで勝負だ!!!

【ビルドドライバー/エボルドライバー】


『仮面ライダービルド』に登場する変身ベルト。「ビルドライバー」でなく「ビルドドライバー」としたのが良いですよね。ちなみにエボルドライバーの方はめちゃくちゃ気に入っている。レバー回しているだけで禍々しい音声やBGMが響き渡り、誰でもラスボスとして振る舞えるシンプルさが最高。

来週も月曜深夜に更新予定です。それでは、おやすみなさい。

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