第10回/最も準備が楽な創作活動としての文章執筆

文字数 1,718文字

こちらはインターネットに生息するふしぎないきもの・にゃるらがインターネットと独り暮らしとそれ以外について深夜に執筆している画像付きエッセイです。→@nyalra


第1回はこちらから

 自分は、こうして文章を書いてお金を貰っている身なのですが、なんでこの画像や動画メディアなどの時代にテキストを選んだかといいますと、それしかできないからです。スマホひとつで誰でも参入できるジャンルですからね。乗り込むだけならハードルはめちゃくちゃ低い。Twitterで日常を呟くことができるなら、あとはその内容を膨らませるだけで完成。だからこそ奥が深いわけではありますが、道具としてはスマホだけで十分。高そうなツールとか周辺機器なんて一切要らない! 「もっといい文章を書きたい!」と執筆活動の熱意に目覚めたとて、特になにかへ課金する必要なし! 便利だね!


 なんなら、紙とペンさえあればスマホすら持たなくていいですから。なんて最小限なんだろう。パソコンで文字を書くとしても、べつに無料のテキストエディタ、最初から入っているメモ帳でも問題ありませんから。僕は、毎日のエッセイをスマホにデフォルトで入っているメモ帳に書いてます。もはや誰もがスマートフォンを所持している現代なので、誰でもその場で「あ、なにかを伝えたいな!」と思った瞬間に実行できる。素晴らしい。ありがたいことに、この国の識字率は凄まじいおかげで、文章における最低限の技術は生きていく中で自然と身につくのだ。絵や音楽は、「他人に披露できる」レベルまでたどり着けないことも全然あるのに……。


 高校を卒業して、なーーーんにもやることがないまま東京で独り貧乏暮し時代(ルームシェアやシェアハウスしていた時代もあるけど)、こうしてこの文章を書いている今と同じく孤独な深夜に、ふと思った。



 「なにか生産的な活動をしてみたい……誰かに自分の存在を見つけてもらいたい……」



 本当に何一つ成したこともない状態であり、そもそも落ちこぼれの不登校でしたから、絵や音楽の素養一切なし。努力もできないので一から学ぶ気もない。じゃあどうするか。そういえばスマホはあるからブログは書けるな〜と。ただただ消去法で自分でも可能なことを選択しただけなんですね。べつに、それまで執筆活動が得意だった事実などもない。ただ、絵や音楽に比べたらどうにかなるなってだけ。今だって文章力があるとかですらないですし。お気楽すぎる。


 ちょっと話は逸れますが、自分が作ったゲームへの感想や想いを、インターネットの10代たちが長文で綴っている様子を見るたび、なんて偉いんだ……とビックリです。僕は学生時代に好きな作品やクリエイターへ応援の手紙なんてアップしたこと一度もない。好きな作品への愛を言語化する衝動、なんと尊いものだろうと感涙ですよ。本来、こういう気持ちから創作能力も成長していくんだなとしみじみしましたね。いい時代だぜ。僕はもっと社会や人間を憎むような負の行動原理しかなかったよ。なんにせよ、思いたったら文字入力画面をポチポチするだけで即実行できる活動ってコスパが最強だなと。メディアの発展によりだんだんと縮小していくかもしれませんが、意思疎通のため決してなくなることはない文化、テキスト。


 深夜の自我発散にちょうどいいんです。自分の思考や好きなものを言語化していく作業ですから、己を対象にコミュニケーション相手ができる。夜の寂しさを和らげ、しかもなにか意味があるようなことをしている気持ちになれる! 現実逃避に一番いいなと今でも感じております。


 「逃げ出した先に楽園なんてありゃしねぇのさ」とベルセルクでガッツは言っていましたが、べつに僕のような弱虫が努力に立ち向かっても地獄を見るだけ。であれば、逃げる方向に全力で走ったほうがまだマシでしょう。

【ターンエー、ターンX&蝶の標本】


たまたまターンエーガンダムやターンXの下の段に、カラスアゲハやモルフォ蝶の標本を飾ったらいい感じになって嬉しい。ターンエーやターンXのMETAL BUILDを待望していますので、もしバンダイの関係者がこのコラムを読んでいた場合、今すぐにでも企画をお願い致します。

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