(49)吉村龍一【前田慶次】

文字数 568文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

吉村龍一(よしむら・りゅういち)さん


──1967年山形県生まれ。高校卒業後自衛隊に入隊し、陸上自衛隊施設科隊員として勤務。2011年『焰火』にて第6回小説現代長編新人賞を受賞してデビュー。2013年『光る牙』が第16回大藪春彦賞候補作となる。その他の著書に『旅のおわりは』『清十郎の目』など。

【わたしの好きな戦国武将】


前田慶次

なんといっても前田慶次である。一六〇〇年、上杉軍の一員として参戦した、慶長出羽合戦(現在の山形市長谷堂での戦)での見事な戦いぶりは、わたしの心をとらえて離さない。剛胆な性格と文才を併せもつ歌舞伎者は、直江兼続と親交を結び、上杉景勝の客人として米沢に招かれた。加賀を離れ、紆余曲折して腰を落ち着けた米沢藩で生涯を終えたという。慶長出羽合戦の舞台である長谷堂は、私の家から車で五分ほどの位置にある。現在古戦場はのどかな田園と化し、初冬の霜が一面を覆うだけだ。毎日そこを通る度、槍をふるう慶次の姿が目に浮かんでくる。六十歳にして殿軍をつとめ、最上軍と戦ったその声が聞こえてくる。

登場人物紹介

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