(25)阿部暁子【伊達政宗】
文字数 609文字
現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。
激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!
阿部暁子(あべ・あきこ)さん
──1985年岩手県出身。2008年『いつまでも』(刊行時『屋上ボーイズ』に改題)でロマン大賞を受賞しデビュー。著書に『パラ・スター』など。近著は『実写映画ノベライズ 思い、思われ、ふり、ふられ』。
【わたしの好きな戦国武将】
伊達政宗
隻眼から付いたあだ名は独眼竜、料理男子にして芸術にも通じた超一流の趣味人、そしてヨーロッパに日本初の使節団を派遣した壮大な夢と野心を持つ伊達男。小説家だってここまでは盛らないぞという程エピソード満載の政宗は、手紙まで実に魅力的です。愛娘に「鮎のお鮨を送ったよ。来月一日が食べごろだよ。それを過ぎると味が落ちるから注意だよ」と親心あふれる手紙を送ったり、酔いに任せて部下を叱責、叩いてしまったあとは「あれは自分が悪かった。主君の何たるかを忘れていた。傷が治ったらまた仕えてほしい」と素直に謝罪の文をしたためたり。かと思えば重臣に「昨晩の宴で飲みすぎて二日酔いなので今日の面談は腹痛のため延期にすると皆に伝えてください」と仮病の協力を頼んだり。愛情深く、人々に対して誠実で、でも時々ちょっぴりダメ男。こんな政宗、大好きです。