(87)麻耶雄嵩【山中幸盛】

文字数 642文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

麻耶雄嵩(まや・ゆたか)さん


──1969年三重県生まれ。『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビュー。『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞・第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。『さよなら神様』で「2015本格ミステリ・ベスト10」1位、第15回本格ミステリ大賞を獲得。

【わたしの好きな戦国武将】


山中幸盛

子供の頃に流行った「祟りじゃっ」で有名な映画『八つ墓村』。次々と人が殺され、終盤のホラーな展開と相まって〝祟り〟のインパクトが絶大だったが、その祟りの主が夏八木勲を始めとする尼子の残党たち。幼心に〝尼子は恐ろしい〟と刷り込まれた。


史実における尼子の残党の代表格が山中幸盛。いわゆる七難八苦の山中鹿之助。祟りというかゾンビのように何度も蘇っては毛利方を苦しめ、尼子の本城だった月山富田城を奪還しようと攻め入った。


月山富田城は巨大な山城で、険隘な七曲を登った先の本丸からの眺望が素晴らしく、尼子の殿様もここから毛利の軍勢を見下ろしていたのかと感慨深くなる。実際、難攻不落の堅城で、落城したのも調略と兵糧攻めによる。


当の幸盛はスポンサーの都合に振り回され、最後は遥か遠く兵庫の上月城で敗れたのがもの哀しい。欲しかったんだろうな、月山富田城。

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色