(96)武内涼【北条早雲】

文字数 605文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

武内涼(たけうち・りょう)さん


──1978年群馬県生まれ。第17回日本ホラー小説大賞の最終候補作となった作品を改稿・改題した『忍びの森』で2011年デビュー。15年「妖草師」シリーズが徳間文庫大賞を受賞。近著に『阿修羅草紙』。

【わたしの好きな戦国武将】


北条早雲

今──北条早雲のような政治家に現れてほしいと、切に思うのである。


何故、早雲なのか? その軍事的な才能はもちろん、極めて高い政治力と、民と向き合う時の姿に心惹かれるのである。


国盗りによって、新しく大名となった早雲は、それまでの五公五民から、四公六民にあらため、民の税負担を大いにやわらげた。自らをふくむ支配層・武士の暮しを質素にし、室町幕府的な放漫財政をあらためる一方で、必要な所には躊躇わずに財政出動をおこなった。たとえば疫病が広まると民に無償で薬をくばり、多くの命を救った。


謀で国を盗った早雲だが、「民に対し決して、噓をつかない、噓をつけば癖になり、見下される」、これをポリシーとしたという……。コロナ禍で経済苦に喘ぐ人々で溢れる現代日本、北条早雲なら有効な処方箋を出してくれると思うのは、わたしだけだろうか?

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