(98)佐々木裕一【毛利元就】

文字数 645文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

佐々木裕一(ささき・ゆういち)さん


──1967年広島県生まれ。2010年に時代小説デビュー。「公家武者 信平」シリーズ、「浪人若さま新見左近」シリーズなど著作多数。近著は『新・浪人若さま 新見左近(六)恨みの剣』。

【わたしの好きな戦国武将】


毛利元就

優れた戦国武将は誰だろう、と思った時、幼い頃から知っていた毛利氏が頭に浮かぶ。わたしの実家は、毛利が覇権を争った戦場跡にあり、田んぼのほとりには、討ち死にした名も無き武者たちの塚が残っている。小さな田舎町の領主でしかなかった毛利元就は、知略で世を渡り、謀略をもって敵をしりぞけ、一代で中国地方の覇者にのし上がった。


毛利といえば、木津川の戦いで織田信長の軍とぶつかった村上水軍が有名だが、この時の当主は孫の輝元だ。歴史にタラレバはなしだが、ここではお許し願おう。もしも元就が信長と同世代だったら、どちらが勝っていただろうか。秀吉の中国攻めにはどう対抗していただろうか、などと考え、元就の勝利を想像してしまう。まあ、ただの県民愛だと笑っていただきたい。毛利は関ヶ原の戦いで西軍の総大将として徳川家康に敗れ、所領のほとんどを奪われて長州に封じられ幕末を迎える。戦国に生きた元就の子孫は、侍の世を終わらせたのだ。

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