(41)伊兼源太郎【真田幸村】
文字数 630文字
現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。
激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!
伊兼源太郎(いがね・げんたろう)さん
──1978年東京都生まれ。2013年『見えざる網』で第33回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。著書に『密告はうたう』『巨悪』『地検のS』『金庫番の娘』『事件持ち』など。近著に『地検のS Sが泣いた日』。
【わたしの好きな戦国武将】
真田幸村
幸村の名に初めて触れたのは小学校二年生の頃です。当時、両親に歴史の伝記漫画をよく買ってもらっていて、その一冊が幸村を扱った作品でした。長い不遇時代を経ても衰えない武勇と頭脳で大坂冬の陣・夏の陣では家康を追い詰めるなど、幸村好きなら誰もが魅かれる点に私も夢中になったのですが、それ以上に心を奪われる点がありました。伝記漫画を読み終えた私に、父が言ったのです。「幸村の通称は、源次郎なんだぞ」。なんと、ほぼ源太郎ではないですか。以来、幸村こと源次郎信繁は、私の中で俄然存在感を増しました。
また、小学四、五年生の頃には信繁の兄・信之が源三郎、父の昌幸は源五郎、武田二十四将の一人だった叔父の信綱に至っては源太郎だったことも知りました。「源太郎って、おじいちゃんみたいな名前だよな」と周囲に揶揄されていた私が真田家贔屓になったのは言うまでもありません。