(64)蝉谷めぐ実【徳川家康】

文字数 562文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

蝉谷めぐ実(せみたに・めぐみ)さん


──1992年大阪府生まれ。早稲田大学文学部で演劇映像コースを専攻、化政期の歌舞伎をテーマに卒論を書く。2020年『化け者心中』で第11回小説野性時代新人賞を受賞、同作はその後書籍化された。

【わたしの好きな戦国武将】


徳川家康

鳴くまで待とうと声をかけておきながら、ほととぎすの周りを火で囲み、喉をつくための針を見せ、と思わせるほどの冷徹さをもって天下を虎視眈々と狙い続けた老獪な狸親父。武勇に特別優れたわけでもなく、義に厚いわけでもないのですが、あなたの好きな戦国武将はと問われると、なぜかこの人をあげてしまいます。潔く散ってこそのこの時代で、何度も切腹を思いとどまり、みっともなくとも生き残ることに執着し続けたそのしぶとさが、私は好きです。それに、戦国武将としてのエピソードが薄味と言われがちではありますが、三方ヶ原の戦いで敵対し、惨敗を喫することになった武田信玄の陣形を、関ヶ原の戦いで自ら使って勝利するところなんかは、ロマンに溢れていると思います。

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