(15)桂竹千代【鳥居強右衛門】

文字数 635文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

桂竹千代(かつら・たけちよ)さん


──1987年千葉県生まれ。落語家。2011年に桂竹丸に入門し「竹のこ」となる。15年、二ツ目に昇進、「竹千代」と改名。明治大学・大学院で古代史を学んだ「古代史マスター落語家」として活動。著書に『落語DE古事記』。

【わたしの好きな戦国武将】


鳥居強右衛門

彼が活躍するのは長篠の戦いの直前だけだが、戦国時代のドラマ性をたった1シーンで強烈に伝える人だと思う。武田軍に長篠城を包囲され絶体絶命の状況の中、徳川家康のいる岡崎城への援軍要請という危険な役を自ら志願。何とか敵の包囲網を突破し、任務を果たす。吉報をすぐに伝えようと長篠城へ走る途中で敵に見つかり捕縛。「援軍は来ないと告げよ。さすれば家臣にしてやる」という武田勝頼の取引に、表向きは応じた強右衛門だったが、敵勢に囲まれる中、長篠城へ向かって叫ぶ。「援軍は近い! 今しばらくの辛抱だ!」……これが士気を奮い立たせ、援軍到着まで城を守ることができた。激怒した勝頼に身包みはがされ、磔になった彼の姿絵が今に伝わる。秀吉のような出世をしたわけでなく、官兵衛のような名軍師でなく、幸村のような戦の天才でもない。一介の足軽でありながら、自らの命にかえて忠義を果たしその名を残した、彼の生き様が戦国の世を楽しくさせる。

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色