(97)武田砂鉄【武田勝頼】

文字数 651文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

武田砂鉄(たけだ・さてつ)さん


──1982年東京都生まれ。ライター。2015年『紋切型社会 言葉で固まる現代を解きほぐす』で第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞、16年に第9回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞を受賞。他の著書に『日本の気配』『わかりやすさの罪』など。

【わたしの好きな戦国武将】


武田勝頼

歴史の教科書に出てくる人物と同じ名字で暮らしている場合、授業中に一通りイジられる。これは多くの人が体験してきたことだと思う。


武田、という名字は、「武田鉄矢」という教育方面、「武田信玄」という歴史方面に圧倒的な存在がいるので、学び舎では唐突にツッコミを受けやすい。自分は、読んでいるマンガでも、聴いている音楽でも、メジャーよりもマイナーな存在が好きだったので、当然、好きな「武田」も、信玄ではなく、息子の勝頼になった。


織田信長と徳川家康の連合軍との「長篠の戦い」で負けた勝頼。教科書に控えめに載っているその名前を頭に刻み込む。歴史の授業が戦国時代を過ぎる頃、こちらに向かって「おい! 信玄!」と雑に突っ込む人は誰もいなくなった。


実績はさておき「信玄より勝頼でありたい」なんて思ったし、その妙な感覚は、いまだにちょっとだけ残っていて、大切にしている。

登場人物紹介

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