(50)吉川永青【岡左内】

文字数 663文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

吉川永青(よしかわ・ながはる)さん


──1968年東京都生まれ。2010年「我が糸は誰を操る」で第5回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し、翌11年改題した『戯史三國志 我が糸は誰を操る』でデビュー。『闘鬼 斎藤一』で第4回野村胡堂文学賞受賞。近著に『憂き夜に花を』。

【わたしの好きな戦国武将】


岡左内

いつもは「今、書いている人」と答えるのですが、それでは企画の趣旨をぶっ壊してしまうので、今回は(他社刊ですが)二〇二一年一月刊の『ぜにざむらい』から岡左内を一押しに。


初め蒲生氏郷に仕え、氏郷の会津転封後に一万石を与えられた勇士。なのに金儲けが大好きで、しかも、貯めたお金を部屋に敷き詰めて裸で寝転がるのが趣味という変人です。


氏郷死後の蒲生が宇都宮に大減封となると、後任の会津国主・上杉景勝に仕官。徳川家康の会津征伐から関ヶ原に至る流れ、関ヶ原の裏で行なわれた慶長出羽合戦では主家や同僚に莫大な戦費を貸し付けています。


しかし徳川の勝利で上杉は米沢に大減封、借りた戦費を返せない。すると左内は貸し付けの証文を焼き捨てて出奔し、会津に返り咲いた蒲生秀行に再仕官します。返せない人に返済を迫りたくなかったのでしょう。お金は大好きだけれど、それ以上に自分の周りの人が大切という、爽やかで痛快な生き様です。

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