(35)伊与原新【伊達政宗】

文字数 556文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!


伊与原新(いよはら・しん)さん


──1972年大阪府生まれ。2010年『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞。著書に『ブルーネス』『コンタミ 科学汚染』『月まで三キロ』『八月の銀の雪』などがある。

【わたしの好きな戦国武将】


伊達政宗

理由は自分でもわからないが、〝遅れてきたヒーロー〟に惹かれるたちだ。三国志なら姜維、ロックならブルース・スプリングスティーン、戦国武将なら「独眼竜」。もし秀吉や家康の同世代人として生まれていたら、あるいは天下は──と夢想させてくれるところがいい。天下人の目がないと悟るや、そこに未練がましく執着せず、滅びの道も選ばずに、したたかに生き残った。文化人として生きた晩年には、「馬上少年過ぐ」と自らにやや酔いつつも、その人生を俯瞰したような詩を詠んでいる。私にとって政宗の最大の魅力は、乱世の雄でありながら自意識を過剰に肥大化させることなく、世界と自分の在りようをある種の諦観をもって客観視していたように見える生きざまである。

登場人物紹介

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