(90)柏田道夫【大友宗麟】

文字数 674文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

柏田道夫(かしわだ・みちお)さん


──1953年東京都生まれ。95年『桃鬼城伝奇』で第2回歴史群像大賞、「二万三千日の幽霊」で第34回オール讀物推理小説新人賞を受賞。2010年、脚本を手掛けた映画『武士の家計簿』が大ヒットを記録。近著に『面影橋まで』、『つむじ風お駒事件帖』など。

【わたしの好きな戦国武将】


大友宗麟

DNAが九州人ということもあり、九州の武将に思い入れがある。なかでも九州北部六ヵ国を一時支配した大友宗麟の夢に惹かれる。宗麟は出家名だが、「二階崩れの変」というクーデターで大友家の当主になり、大大名にのし上がった。


四十九歳でキリスト教の洗礼を受け、日向の地にキリスト教的な理想国家を築くという壮大な夢を抱いて、四万の兵を動員する。いかんせん、急ぎ過ぎたようだ。大友軍の諸将は反キリストを唱える者も多く、一致団結にほど遠かった。そして天正六(一五七八)年の耳川の合戦で、島津軍に大敗してしまう。


宗麟は島津との戦で、南蛮船から買い入れた大砲に「国崩し」と名付けて使用したという。「昇竜の雲のごとき黒煙を奔流し、その鳴るさまは驚雷のとどろくごとく、聞くものその耳を被わないものなし」と記録にある。宗麟は海外にも眼を向けていた。もし、大友軍が勝利していたら、どんな国が誕生しただろうか、と思わざるを得ない。

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