(7)有栖川有栖【真田幸村】
文字数 546文字
現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。
激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!
有栖川有栖(ありすがわ・ありす)さん
──1959年大阪府生まれ。89年『月光ゲーム』でデビュー。2003年『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞、08年『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞、18年「火村英生シリーズ」で第3回吉川英治文庫賞を受賞。
【わたしの好きな戦国武将】
真田幸村
──狙うは家康の首ただ一つ。
声に出して読みたい日本語である。いや、真田幸村(信繁)本当にこう言ったかどうかは知らないが。
絶対的な不利を承知しながら死地を求め、しかし針の穴を通すような一抹の勝機に賭けて大坂方についた彼こそ、大阪で生まれ育った私にとってヒーローだ。
冬の陣では真田丸を築いて徳川方にひと泡吹かせ、夏の陣でも一発逆転のロマンの閃光を見せてくれた。刀折れ矢尽きての最期は、さながらアメリカン・ニューシネマ。
幸村殿。戦には敗れたものの、詩的勝利はあなたにあります。四百年以上が経った今も日本一の兵と称せられるあなた。江戸幕府は天領・大坂に富が流れ込む仕組みを作ったのに、大阪の民は豊臣贔屓・幸村好きで家康嫌いです。