(33)小野寺史宜【蜂須賀小六】
文字数 607文字
現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。
激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!
小野寺史宜(おのでら・ふみのり)さん
──1968年千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」で第86回オール讀物新人賞を受賞してデビュー。08年『ROCKER』で第3回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞。著書に『ホケツ!』『ひと』『その愛の程度』『まち』『ライフ』『縁』などがある。近著は『今夜』。
【わたしの好きな戦国武将】
蜂須賀小六
恥ずかしながら、戦国武将には疎い。
でも子どものころは神社や寺などの昔を感じさせる建築物がとても好きだった。その流れで、歴史ものの児童書もたくさん読んだ。そのなかの一つ、豊臣秀吉絡みの話に出てきたのが蜂須賀小六だった。
地位が上の歳下を支える歳上。カッコいいな、と単純に思った。ジャズで言うサイドマン。その姿を十歳に満たない僕に初めて示してくれたのが小六だ。
名前もいい。蜂須賀くんが友だちにいたら絶対忘れない。気に入ったので、小六も自作の登場人物名につかった。文庫化時の改稿で変えてしまったが、いずれまたほかの小説でつかうつもりでいる。例えば五歳児の小六くんというのも悪くない。
戦国武将界のジャズベーシスト、ポール・チェンバース。蜂須賀小六。好きだ。