(70)吉森大祐【水野勝成】
文字数 631文字
現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。
激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!
吉森大祐(よしもり・だいすけ)さん
──1968年東京都生まれ。2017年『幕末ダウンタウン』で第12回小説現代長編新人賞を受賞し、翌年デビュー。著書に『逃げろ、手志朗』。最新作は『ぴりりと可楽!』。
【わたしの好きな戦国武将】
水野勝成
水野勝成が好きです。槍一本で意気揚々と生きた自由人で、戦国武士のひとつの理想形だと思います。
彼の戦い方は基本的に「抜け駆け上等!」なんですよね。大将の言うことを聞かずに突っ込んで行って、必ず勝ってきちゃう。
十五の年から戦場で暴れまくり、二十歳のときに家を飛び出ると、無頼連中とつるんで大暴れ。それから十五年間、畿内から四国九州まで、戦があればふらりと現れ、様々な武将に陣借りして暴れ続けました。秀吉の死後ようやく水野家に復帰したときには、勝成の名は天下に知れ渡っていました。
大坂の陣で家康は、命令を聞かなかった勝成を厚遇しませんでした。
腹を立てた勝成に秀忠が「俺の代になったら知行を増やしてやるから我慢しろ」と言ったという逸話が好きです。
さんざん流浪して苦労したはずなのに、全然成長してない。
八十八歳という長寿を保ち、八十七歳で鉄砲をぶっ放したというファンキーじいさん。怖かったんだろうなあ。