(91)丸山正樹【武田義信】

文字数 643文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

丸山正樹(まるやま・まさき)さん


──1961年東京都生まれ。2011年第18回松本清張賞の最終候補作になった『デフ・ヴォイス』でデビュー。著書に『龍の耳を君に デフ・ヴォイス』『漂う子』など。21年1月『ワンダフル・ライフ』を刊行予定。

【わたしの好きな戦国武将】


武田義信

群雄割拠の戦国時代にあって、不運・不遇の将に惹かれる。例えば、名将・武田信玄の陰に隠れた二人の息子。家督を継ぎ、武田家最後の当主となった武田勝頼と、嫡男でありながら謀反の疑いをかけられ、幽閉された後に自害した武田義信。


特に、後者。私の両親の実家は長野県の小諸と佐久なのだが、この二つを攻め落としたのが義信だと知ったのが関心を持ったキッカケだった。時の将軍・足利義輝から一字をもらい、今川義元の娘を正室にし、さらにはあの川中島の戦いでも功を挙げたというのに、なぜ非業の死をとげることになってしまったのか。その運命に、思いを馳せる。


一方の勝頼も、長篠の戦いで敗退し、武田氏滅亡を招いたことから「暗愚の二代目」のイメージが強いが、常に父と、そしておそらく兄とも比べられ続けたに違いない。その姿に哀しみを感じる。いつか歴史・時代小説を書く日がきたら、是非この二人を主人公に書いてみたい。

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