(62)佐藤巌太郎【武田信玄】

文字数 602文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

佐藤巖太郎(さとう・がんたろう)さん


──1962年福島県生まれ。2011年「夢幻の扉」で第91回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。16年「啄木鳥」で第1回決戦!小説大賞を受賞。初の単著『会津執権の栄誉』が第157回直木賞候補作となる。近著に『伊達女』。

【わたしの好きな戦国武将】


武田信玄

武田信玄に一票。戦国という一つの時代に漠然と興味を持ったのは、信玄の居館跡を訪れ、武田信玄と上杉謙信との宿命の対決を知った小学生の時だった。以来、あまたの武将の話を知っても、最初に感じた信玄の魅力は失われない。それはなぜかと考えてみると、ライバルの存在も大きいが、信玄の死に、ある特有の歯がゆさが付きまとうからのような気がする。


人は永遠には生きられない。いかに死ぬかが、その人の人生を印象付ける。武将の最期は様々だが、信玄は、足利将軍の要請に応じる形で、圧倒的強さを見せながらも、上洛途上で病死した。あと一歩で届かなかったという無念の思いが、せちがらい現代に生きる者の共感を呼ぶ。もし、信玄の死があと一年遅かったら? 後世の人々の空想を駆り立て、伝説になりえた点で信玄を推したい。

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